共有感満載の80年代洋楽ヒット!ビルボード最高位2位の妙味 vol.35
Girls Just Want To Have Fun / Cyndi Lauper
当コラムvol.2にてすでに紹介しているが、80年代33番目に誕生したナンバー2ソングは、シンディ・ローパー「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン<旧邦題:ハイ・スクールはダンステリア>」(84年3月2週2位)だ。
言うまでもなくシンディにとって初ヒットにして代表曲となり、本人にとっても思い入れの強い作品であると同時に並みいるナンバーワンソングたちにも引けを取らない、80年代洋楽を象徴する楽曲のひとつとなっている作品である。
実はシンディが残したトップ10ヒットは、この曲を含めて80年代に8曲をも数え、「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」を上回るナンバーワンヒットを2曲も輩出している。
ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン
タイム・アフター・タイム(84年1位)
シー・バップ(84年3位)
オール・スルー・ザ・ナイト(84年5位)
グーニーズはグッド・イナフ(85年10位)
トゥルー・カラーズ(86年1位)
チェンジ・オブ・ハート(86年3位)
涙のオールナイト・ドライヴ(89年6位)
バラードタイプだった「タイム・アフター・タイム」、「トゥルー・カラーズ」といった2曲のナンバーワン、及び人気映画『グーニーズ』の主題歌「グーニーズはグッド・イナフ」あたりの共有感はかなり高いと思われるが、やはりどう考えても「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」の認知度は群を抜いている。
後に「ヘイ・ナウ(Girls Just Want To Have Fun)」(95年87位)としてレゲエテイストなセルフカバーをリリースしたり、05年パフィーを迎えて再リメイクをしたり、シンディ本人によるこの曲への思い入れの強さは相当大きい。
加えて東日本大震災直後、多くの海外ミュージシャンの来日公演がキャンセルされる中、“友達(日本人)の窮地を救うため” と予定された公演を敢行、素早い復興支援行動にでたり、さらには2016年アルゼンチンの空港にて足止め遅延に見舞われた暴動寸前の乗客たちに件の楽曲を突然空港のマイクで披露して事態を収拾したというエピソードがあったり… シンディの素晴らしいその人柄や音楽に真摯に向き合う姿勢が、今尚伝わってきている。
以上のことからも、同曲が、80年代洋楽を代表する1曲であるばかりでなく、老若男女が認知する「スタンダード洋楽」に位置している理由が垣間見えるだろう。ナンバーワンの共有感を誇る80年代ナンバー2ソング、それが「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」なのだ。
2017.08.16
YouTube / CyndiLauperVEVO
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