アメリカを代表するシンガーソングライターであり、イーグルスの「テイク・イット・イージー」をつくり、自身も70年代は名盤を連発したジャクソン・ブラウン。
そんな彼も80年の「ホールド・アウト」以降、80年代はあまり大きなヒットに恵まれませんでした。派手なファッションやミュージックビデオに象徴される80年代の音楽シーンにボブ・ディラン同様乗り切れなかったのかもしれません。
そんな80年代のジャクソン・ブラウンの作品で私が忘れられない、大好きな曲があります。それがクラレンス・クレモンズとのデュエット「フレンド・オブ・マイン」です。
クラレンス・クレモンズは残念ながら2011年に亡くなりましたが、晩年にはレディー・ガガとも共演(「ジ・エッジ・オブ・グローリー」のPVにも出演)した名サックスプレイヤーで、ブルース・スプリングスティーンのバンド、Eストリート・バンドのメンバーでもありました。リンゴ・スターのオール・スター・バンドにも参加したり、反アパルトヘイトのサン・シティにも参加してましたね。
クラレンスの84年ソロアルバム『ヒーロー』に収録、シングルカットされたの「フレンド・オブ・マイン」。そんなにヒットはしなかった記憶がありますが、全米チャートでは18位を記録しています。
ジャクソン・ブラウンとデュエットしてはいるものの、曲を書いたのはアルバムのプロデューサー、ナラダ・マイケル・ウォルデンです。
とはいえこの曲、随所にジャクソン・ブラウン節が効いていて本当にいい曲なんです。タイトル通り友情がテーマの詩もどこかジャクソン・ブラウンっぽい。しかもPVには当時の恋人、ダリル・ハンナも登場してまさに主役はジャクソン・ブラウン、バックにクラレンス・クレモンズというような構図になってしまってます。
印象的なギターイントロ、ダブルサビ、デュエットスタイル、歌いまくるサックス、そして艶のあるサウンドアレンジが光るナラーダ・マイケル・ウォルデン・サウンド。もう条件的にも必然のいい曲! こういった客演の作品にもジャクソン・ブラウンのミュージシャンとしてのセンスは窺えるんですね。
名義としてはクラレンス・クレモンズの作品なのでジャクソン・ブラウンのベスト等には収録されませんし、80年代オムニバスにもなかなか収録されない、隠れた名曲。
こういう曲、中古レコード屋で7インチ盤で見つけた時、つい買っちゃうんですよね。
2017.07.06
YouTube / Stevenarada
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