夢の国に行って来た。
その夢の国は意外と近くて、首都高速湾岸線の浦安ICを降りたらすぐだった。
私は開門と同時に老体にムチを打ってファストパスチケットなるモノを取りに走った。その間にカミさんと娘はジャック・スパロウ船長に会うための船着き場に並んでいる。
取ってきたファストパスチケットを娘に渡すと、次は999人の幽霊がいるマンションに並んでおくように指示が出た。
…… 夢の国って結構体力がいるものだ。
そのマンションに着くと、すでに長蛇の列が出来ていた。フリルの付いたカワイイ服を着たキャストと呼ばれる女の子が、無慈悲にも最後尾のロープを伸ばしている。
私の前には黒くて丸い耳が付いたカチューシャを頭に乗せた女子高生が二人並んでいた。
「もうこの時間で90分待ちだって~、ヤバイよね~」
「まじ一時間半ってありえない~」
「違うよ、一時間半だと75分だよ」
「それな!」
どうやら不思議の国に迷い込んでしまったらしい、女子高生の会話が理解できない。余談だが、女子高生の生足ってなんで必ず虫さされの跡があるのだろう?
さて、この夢の国は1983年4月にオープンした。その時々でその時代を代表するエポックがあると思うが、この国の開国も間違いなく80年代を代表する出来事であろう。
開国前年の82年から夢の国のプロモーションは始まっており、今か今かとオープンを心待ちにしていた方も多いはずだ。
そこに、夢の国とは関係がない事になっているが、トニー・バジルが「ミッキー」という曲をリリースして話題になった。
元々「ミッキー」とは、一般的にはマイクやマイケル、ミックなどの愛称として使われるのが普通だが、この時期、このタイミングで「Hey Mickey!」と歌われたら、トニー・バジルの曲と夢の国の主を結びつけてしまうのは無理もないことだろう。当時、私もてっきりトニーが燕尾服を着たネズミさんの事を歌っているものだと思い込んでいた。
長蛇の列に並びながらそんな思い出にふけっていると、向こうからカミさんと娘がやって来た。
「それじゃ次は早めのご飯を食べるから、レストランに並んでおいて」
…… 夢の国って結構辛い。
2018.01.29
YouTube / Natosport20
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