ガール・ポップなどという言葉をまだ誰も思いついていない時代。アイドルもシンガーソングライターも歌うのはラブソングで、オーバー・グラウンドにいる女の子が「で、あなたはどうなの?」と聴き手のみぞおちを突くような歌をうたうことはなかった。アレンジは後藤次利。TM NETWORKの3人と岡村靖幸がコーラスで参加している。作詞はTMの「Come on Let's Dance」なども手掛けていた神沢礼江。渡辺美里という存在が自然とこういう詞を書かせたのか、スタッフからテーマと方向性を提示されたのか定かではないが、いずれにせよ完全な当て書きとして成立している。意志と主張を持った言葉がリズミカルにはじき出され、しかもその声はボリュームダイヤルを間違えたのではないかと思うほどたっぷりと響く。