4月21日

みんなに愛されたガールズバンド!プリンセス プリンセス「Diamonds」の魅力

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アイドルでもない、ごりごりロックでもない、確かな技術力


プリンセス プリンセスの名前を知ったのは1987年リリースのセカンドシングル「世界でいちばん熱い夏」を聴いたときだった。力強い奥居香のボーカルがとても印象的で心に響いた。プリンセス プリンセスは、ボーカル・奥居香(現・岸谷香)、ギター・中山加奈子、バンドリーダーのベース・渡辺敦子、キーボード・今野登茂子、ドラムス・富田京子の5人によるバンドだ。

プリンセス プリンセスの登場によって、初めて “ガールズバンド” という言葉を本格的に聞いたような気がする。今でこそ当たり前のように使われるこの “ガールズバンド” という呼び方も、プリプリことプリンセスプリンセスが、ガールズバンドを一般的に認知させた功績は大きいだろう。

改めてプリプリの魅力を考えてみると、可愛いファッションでキメているけれどアイドルでもなく、かといってハードロックでもない。強いて言えば、メンバーの中で一番ロック色が強かったのは、ギターの中山加奈子だろう。鋭いギターとパフォーマンスは、自身が愛して止まないジョーン・ジェットの影響を大きく受けたものと言われていて超カッコイイ。奥居の隣でリズムにあわせて激しいパフォーマンスを繰り広げる姿は存在感抜群。

けれど、だからといってゴリゴリのロックに突っ走るというわけでもなく、ポップスの要素もふんだんに盛り込まれているのがプリプリというバンドだ。ロックの要素もありつつ、キャッチーなメロディーのポップスの要素もふんだんに盛り込まれている。それでいて音のまとまりは完全にがっちり固まっていて、バンドとしては音の厚みもある実力派…。

可愛い、格好いい、上手い! のすべてが揃った実にバランスのとれた素晴らしいバンドだったと思う。だからこそ、プリプリは当時、とても新しく感じられたし、多くの人たちから広く愛されたのだと思う。



ガールズバンドの筆頭候補、プリンセス プリンセス


力強く、そして確かな演奏力で次々に疾走感のあるシングル曲をリリースしていったプリプリ。メンバー同士の仲の良さも演奏から伝わってきた。けれど、だからといってキャピキャピした馴れ合いのような感じもなく、それぞれが自分たちの音楽の役割をしっかりと理解した上で、高い技術力を披露していた。だからなんとなく、今の時代の “ガールズバンド” と呼ばれる女の子バンドのイメージと、プリプリが呼ばれた “ガールズバンド” のイメージとでは、似て非なる物… という気もする。

それぞれが1人のアーティストとして、しっかりと自立できた女性たちの集まりであり、高いスキルを持ったアーティストが集まったバンドという雰囲気がどこかプリプリにはあった。

曲はどれもキャッチーでポップだったり、ロックチューンだったりと多彩で、名曲「M」のようなしっとりした泣かせるバラードを届けてくれた。ちなみに「M」は、1989年、7枚目のシングルとしてリリースされた「Diamonds」のB面だった。シングルとしてリリースされたわけではないその「M」が今の時代においても、失恋ソングとしてきまってランクインし、語り継がれているのはすごいことだ。

みんなに愛された「Diamonds」の歌って気持ちイイところ


さて、1989年頃といえば、なんといってもカラオケ全盛期! どれだけ「Diamonds」を歌っただろうか。とにかく当時、女の子達たちが集まってカラオケに行くと、この曲が登場しない日はなかった。カラオケの定番中の定番曲。この曲がカラオケで愛された理由は、中山加奈子が作詞を手掛けたコーラスのフレーズと、テンションの上がる掛け合いの部分にあったと思う。例えば、

 金のハンドルで
 街を飛びまわれ
 楽しむことにくぎづけ

… の部分はコーラスの構成がとてもシンプルで、素人の私たちでも簡単にハモることができた。みんなでハモることができると、歌っていてとても楽しく、気持ちイイ! そして続くサビ、

 ダイアモンドだね AH(AH)
 いくつかの場面 AH(AH)
 うまく言えないけれど 宝物だよ
 あの時感じた AH(AH)
 予感は本物 AH(今)
 私を動かしてる そんな気持ち

この歌詞のカッコの部分は、奥居香とメンバーの掛け合いになっていて、とにかく、これがカラオケだと最高に盛り上がるのですよ! メインのボーカル役が奥居の歌のパートを歌い、残りのみんなが(AH)、(今)を合いの手のように歌っていく。そうして、みんなで歌える曲だった。

みんなで歌って清々しい気分になれる曲―― そうしたところも「Diamonds」が支持された所以ではなかっただろうか。

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2022.11.02
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