『よろしくメカドック』がアニメになった84年の秋といえば、『Dr.スランプ』『キン肉マン』『キャプテン翼』らがすでにアニメ化され、社会現象的な人気となっていた時期。少年ジャンプの看板マンガがアニメになり、さらに人気に拍車を掛ける。この方程式が確立されつつあった時代だ。
そこで、このメカドック。常に巻末を飾っていた記憶しかない。しかも、一度は連載が終了し、アニメ化とともに連載復活した非常に珍しい経緯を持つ。筆者は当時小学5年生。友達の間でもメカドックは人気がなく、話題に出すものは皆無だった。『サーキットの狼』が巻き起こしたスーパーカーブームも遠い昔。なぜ、このタイミングでのアニメ化だったのだろうか?
記事を書くにあたってあらためて調べたところ、アニメ製作はあのタツノコプロだった。往年の名作『マッハGoGoGo』の再来を目指していたのだろうか? 作品自体はめちゃくちゃ地味だった印象しかないのだが…
ただ、主題歌のインパクトだけは抜群だった。とにかくノリがいい。何度も登場する英語のフレーズはひとつとして解読できなかったが、鼻歌には最適である。こちらもまたあらためて歌詞を見てみると、「見たくもないミラーにはきっと泣いたお前が映ってる」や「俺にはもうおまえをくどく暇がない」などの歌詞が並んでいた。主人公の風見潤はさわやか熱血漢。原作のストーリーには、女性との色恋沙汰が一切なかったような気もするが、まぁ、イカす歌詞である。
登場キャラクターは、主人公以外には「ナベさん」という失明寸前ながら神懸かり的なドライビングテクを誇ったおっさんぐらいしか記憶にない。目の病というと、『キャプテン翼』のロベルト本郷や、『タッチ』のグラサン監督(名前失念)的な、師匠的なキャラとしては王道のリタイヤ要因である。ナベさんの愛車・フェアレディZが漠然とカッコイイなぁ~と思ったりはしたが、初めて買った車がミラージュだったりするぐらいに、車には特に興味がない筆者であった。
よろしくチューニング / STR!X
作詞:寺田憲史
作曲・編曲:河内淳一
発売:1984年9月
2016.07.17
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