三浦徳子の本格的な作詞家デビューは1978年。八神純子のシングル「みずいろの雨」が大ヒットし、一躍、女性作詞家として注目される存在に。1979年には、松原みきのデビュー曲「真夜中のドア〜Stay With Me」を手がけているが、2020年あたりからストリーミングサービスなどの普及でリバイバルヒットになっており、現在Spotifyだけで3億回以上も再生されている驚異のヒットになっている。この曲が、海外のリスナーからも支持されている現象を受けて三浦徳子は “サビを “Stay With Me” という英語のフレーズにしておいて良かった(笑)” と生前、出演したラジオ番組で冗談交じりに語っている。
アルバム『SQUALL』『North Wind』はそれまでのアイドルにはなかった、夏と冬のコンセプトアルバムとして制作されており、当時のニューミュージック系のアーティストにも引けをとらない売上を記録していた。三浦・小田コンビが全曲を手がけたということもあり、ストーリー性を強く感じる名盤となっている。「SQUALL」や「Only My Love」はコンサートでも歌われる定番曲だが、個人的には「潮騒」や「冬のアルバム」などの艶っぽいボーカルに松田聖子の表現力や才能を強く感じる。
そんな三浦徳子の一周忌にあたる、2024年11月6日、松田聖子『Seiko My Love ―Yoshiko Miura Works―』が発売になった。この作品は、三浦徳子が松田聖子に詞を提供した全30曲が収録された2枚組CDで、ブックレットには松田聖子からの心温まるコメントも掲載されている。ちなみに筆者は今回のこのCDのブックレットにライナーノーツを書かせていただいたので、生前のコメントや知られざる制作秘話等は、是非ライナーをチェックしていただきたい。