6月1日
瑠璃色の地球と出会った、誰もいない音楽室から続くもの
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photo:OTONANO  

この春からパリへ移住した。

日本からパリに向う途中の機内から窓の外に瑠璃色を探した。瑠璃色とは、紫みを帯びた鮮やかな青のことだ。

松田聖子が歌い大ヒットした「瑠璃色の地球」は1986年に発表された。全10曲からなる松田聖子のアルバム『SUPREME』の最後の曲として収録されている曲だ。

私がこの曲に出会ったのは、誰もいない音楽室だった。

音大を卒業し、新卒で私立高校の非常勤講師になった私の任務は、もちろん「授業をすること」だった。授業内容はかなり自由で、基本的には何をしても良かった。

グランドピアノの前に座り、音楽の教科書をパラパラとめくりながら授業で取り組める合唱曲を探していたとき、ふと目が留まった。

瑠璃色の地球・・・

美しいタイトルだなぁ、と思いながら伴奏を弾き始めた。

左手が分散和音を奏でイントロが始まり、サビでは優しくも力強く前進していく伴奏に変わる。良い伴奏譜は、歌いやすく、自然と音楽の世界に溶け込むことが出来る。初めて見る楽譜を目で追い、音楽を奏でると、和音の変化に合わせて、私の感情も次々と変化した。

気付くと鳥肌が立っていた。

そして、伴奏を弾き終えたあと曲解説を読み、初めて「瑠璃色の地球」が松田聖子の曲だということを知った。

この曲に出会った頃、非常勤講師だった私は、中学時代からの夢だったクラリネット奏者としての夢が捨てきれず、1年で辞めてしまった。あれから8年の月日が経ち、今はクラリネット奏者として活動している。

この原稿は、パリで書いている。

パリに来て、さみしいわけではないし、何か不安があるわけでもない。それでも日本が恋しくなるのは、そこに愛する場所と人が在るからだ。

この曲の歌詞に次のような箇所がある。


 泣き顔が微笑みに変わる
 瞬間の涙を
 世界中の人たちに
 そっとわけてあげたい

 争って傷つけあったり
 人は弱いものね
 だけど愛する力も
 きっとあるはず


人は弱さを知ったとき、初めて優しくなれる。

誰かに迷惑をかけるわけじゃないのだから、1人でいるときは、嬉しいも、悲しいも、ぜんぶ素直に表現したらいい。思いっきり笑ったり泣いたらいい。そんなことを思ったら、少し涙が出た。

パリから80年代の音楽に触れ、日本の音楽や日本語の美しさに対してこれまでと違った感情をいだいている自分がいる。この感情がどのように変化していくのか、ゆっくりと眺めて行きたいと思う。

2017.04.17
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  Youtube / Seiko1701EX
 

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カタリベ
1986年生まれ
吉田佐和子
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