6月1日

瑠璃色の地球と出会った、誰もいない音楽室から続くもの

67
0
 
 この日何の日? 
松田聖子のアルバム「SUPREME」がリリースされた日
この時あなたは
0歳
無料登録/ログインすると、この時あなたが何歳だったかを表示させる機能がお使いいただけます

 
 1986年のコラム 
甦るトランスの音、80年代インディーズは東京という地方のあだ花?

ピーター・セテラの「グローリー・オブ・ラブ」タムリン・トミタに憧れて

大衆と真正面から向き合った時代の表現者、わたせせいぞう

愛ある日々。クイーンの全キャリアから選ぶ個人的ベストはコレだ!

上司悶絶! 1986年のマリリンで腰を振る総務部屈指のアーティスト

サブラベルズと夏の想い出!盆踊りの会場で演奏した「悪魔の円運動」

もっとみる≫



photo:OTONANO  

この春からパリへ移住した。

日本からパリに向う途中の機内から窓の外に瑠璃色を探した。瑠璃色とは、紫みを帯びた鮮やかな青のことだ。

松田聖子が歌い大ヒットした「瑠璃色の地球」は1986年に発表された。全10曲からなる松田聖子のアルバム『SUPREME』の最後の曲として収録されている曲だ。

私がこの曲に出会ったのは、誰もいない音楽室だった。

音大を卒業し、新卒で私立高校の非常勤講師になった私の任務は、もちろん「授業をすること」だった。授業内容はかなり自由で、基本的には何をしても良かった。

グランドピアノの前に座り、音楽の教科書をパラパラとめくりながら授業で取り組める合唱曲を探していたとき、ふと目が留まった。

瑠璃色の地球・・・

美しいタイトルだなぁ、と思いながら伴奏を弾き始めた。

左手が分散和音を奏でイントロが始まり、サビでは優しくも力強く前進していく伴奏に変わる。良い伴奏譜は、歌いやすく、自然と音楽の世界に溶け込むことが出来る。初めて見る楽譜を目で追い、音楽を奏でると、和音の変化に合わせて、私の感情も次々と変化した。

気付くと鳥肌が立っていた。

そして、伴奏を弾き終えたあと曲解説を読み、初めて「瑠璃色の地球」が松田聖子の曲だということを知った。

この曲に出会った頃、非常勤講師だった私は、中学時代からの夢だったクラリネット奏者としての夢が捨てきれず、1年で辞めてしまった。あれから8年の月日が経ち、今はクラリネット奏者として活動している。

この原稿は、パリで書いている。

パリに来て、さみしいわけではないし、何か不安があるわけでもない。それでも日本が恋しくなるのは、そこに愛する場所と人が在るからだ。

この曲の歌詞に次のような箇所がある。


 泣き顔が微笑みに変わる
 瞬間の涙を
 世界中の人たちに
 そっとわけてあげたい

 争って傷つけあったり
 人は弱いものね
 だけど愛する力も
 きっとあるはず


人は弱さを知ったとき、初めて優しくなれる。

誰かに迷惑をかけるわけじゃないのだから、1人でいるときは、嬉しいも、悲しいも、ぜんぶ素直に表現したらいい。思いっきり笑ったり泣いたらいい。そんなことを思ったら、少し涙が出た。

パリから80年代の音楽に触れ、日本の音楽や日本語の美しさに対してこれまでと違った感情をいだいている自分がいる。この感情がどのように変化していくのか、ゆっくりと眺めて行きたいと思う。

2017.04.17
67
  Youtube / Seiko1701EX
 

Information
あなた
Re:mindボタンをクリックするとあなたのボイス(コメント)がサイト内でシェアされマイ年表に保存されます。
カタリベ
1986年生まれ
吉田佐和子
コラムリスト≫
42
1
9
8
3
松田聖子プロジェクトの最高傑作「天国のキッス」松本隆 × 細野晴臣
カタリベ / 鈴木 啓之
76
1
9
8
2
松田聖子の歌詞をもっと楽しむ196通りの方法 ー 松本隆 篇
カタリベ / スージー鈴木
27
1
9
8
7
松田聖子「Pearl-White Eve」松本隆と大江千里による憧れのクリスマスソング
カタリベ / ミシマ サイコ
145
1
9
8
2
松田聖子はBがいい、珠玉のクオリティはB面「制服」Bメロにあり
カタリベ / 指南役
38
2
0
1
6
松田聖子の82ndシングルは80年代の名曲群を凌ぐ神曲になると予言する
カタリベ / 太田 秀樹
61
1
9
8
3
胸キュンドラマ「青が散る」主題歌、松田聖子が描いてみせた “蒼い” 青春の光と影
カタリベ / 親王塚 リカ
Re:minder - リマインダー