10月27日

80年代は洋楽黄金時代【ドラムイントロ TOP5】記憶に残る名演!

107
4
 
 この日何の日? 
ヴァン・ヘイレンのシングル「ホット・フォー・ティーチャー」が米国でリリースされた日
この時あなたは
0歳
無料登録/ログインすると、この時あなたが何歳だったかを表示させる機能がお使いいただけます
▶ アーティスト一覧

 
 1984年のコラム 
薬師丸ひろ子は特別な「Woman」永遠のアイドルは美しき母性の人だった

80年代のサマーソングを探してみたら、ドン・ヘンリーに行き着いた!?

みんなの洋楽ナイト — アラウンド50、貴方の夏は今も燃えているかい?

ロックとパンクの壮大なパロディ、キッチュが売りのフランキーとジグジグ

デビュー3年目の堀ちえみ、燃えさかる「クレイジー・ラブ」の強烈インパクト!

大いなる誤解を受けた「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」届かなかったメッセージ

もっとみる≫




ライブで実感、ドラムで始まるイントロのワクワク感!


ちょっと前に僕はリマインダーで『80年代は洋楽黄金時代【ギターリフ TOP5】ギターはまだ終わってない!』というテーマでコラムを書かせてもらったのだが、今日はその続編と言うか、ドラムから始まる楽曲について紹介したい。

楽曲のイントロには様々なパターンがある。ドラマーのカウントに合わせて、プレーヤー全員が “じゃーん” と一斉に音を鳴らして始まる曲もあれば、各パートが少しずつ重なっていくような曲もある。僕は後者のじわじわ盛り上がる感じが大好きで、特にライブに行くとそれを最も実感できる。中でもいきなりドラムが始まった時のワクワク感は、生演奏を聴く醍醐味のひとつだと思う。

ドラムイントロの曲には、主に2つのパターンがあると思う。ひとつは、その曲の基本パターンが淡々と始まるパターン、もうひとつはフィルイン(Fill-In)的なフレーズから始まるパターンである。ちなみに、フィルインとは、一定のパターン演奏を繰り返す中で、パターンの最後や楽曲の繋ぎ目の1~2小節の間に差し込まれる即興的な演奏のことである。

で、前者の代表として僕が思い浮かぶのは、スティーヴィー・ワンダーの「迷信(Superstition)」だ。この曲のドラムはスティーヴィー自身が叩いていて、特徴的なことは何もしていない。ごくごく単純なリフなのに、サウンドを聴けばすぐに何の曲か判る。こういうのを “名演” と呼ぶのかもしれない。

後者の代表を選ぶなら、僕はポール・サイモンの「恋人と別れる50の方法(50 Ways To Leave Your Lover)」を挙げたい。この曲のマーチングっぽいイントロは、ドラムに関して全くの素人である僕でさえ、叩いているのがスティーヴ・ガッドだとすぐに判った。非常に印象的なフレーズである。

70年代ロックバンドの特徴的なドラムイントロ


また、このような特徴的なドラムイントロが数多く見られるのが、ロックバンドだ。例えば、エアロスミス「ウォーク・ディス・ウェイ」やザ・ナック「マイ・シャローナ」は前者に該当するが、このイントロを知らない人など誰もいないんじゃないか、と思うほどだ。

一方、ディープ・パープル「ファイアボール」でのイアン・ペイスのプレイは、いきなり感があって何だか凄い。まさに後者の代表例だ。ちなみに、このバンドのギタリスト、リッチー・ブラックモアが脱退後に結成したレインボーの「スターゲイザー」も印象的だった。日本の元ハードロック少年達なら、この曲のコージー・パウエルのプレイを最高のドラムイントロに選ぶかもしれない。

そして、ドラムと言えば絶対に外せないのが、レッド・ツェッペリンのジョン・ボーナムだ。「天国への階段(Stairway To Heaven)」が収録されていることでも知られる名盤『レッド・ツェッペリンⅣ』には、「ロックン・ロール」や「レヴィー・ブレイク(When The Levee Breaks)」といった、強烈に印象に残るドラムイントロの楽曲があるので、ぜひ聴いてみて欲しい。

とまあ、こんな風にドラムについて語り始めると、どうしても70年代の楽曲に話が集中してしまう。だが、ここはリマインダー、80年代にリリースされた楽曲の中から勝手にドラムイントロTOP5を決めたいと思う。僕個人の好みを極力抑えて、ジャンル問わずとにかく記憶に残るイントロを選んでみた。

発表! 80年代洋楽のドラムイントロ TOP5


【第5位】 ロック・ウィズ・ユー / マイケル・ジャクソン

アルバム『オフ・ザ・ウォール』に収録。この曲で叩いているのは、世界的なセッションミュージシャンの1人で、クインシー・ジョーンズの秘蔵っ子としても知られるジョン・ロビンソン。「ウィ・アー・ザ・ワールド」を叩いたのもこの人だ。あんまりサウンドに自己主張がなく、さりげなく洗練されたフレーズを叩くのが彼の特徴と言えるだろう。

【第4位】 ロザーナ / TOTO

アルバム『TOTO Ⅳ~聖なる剣』に収録。叩いているのは、もちろんジェフ・ポーカロ。TOTOのメンバーでありながら、彼も世界的セッションミュージシャンの1人だ。この曲の「ハーフタイム・シャッフル」と呼ばれるリズムパターンは、彼の代名詞と言える。1992年に38歳の若さで亡くなったのが、本当に残念だ。

【第3位】 ブラディ・サンデー(Sunday Bloody Sunday) / U2

アルバム『WAR(闘)』に収録。ラリー・マレンが叩くコンバットマーチ風のドラムサウンドには、とてつもない緊張感が張り詰めている。ジョン・レノンのアルバム『サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ』に収録された同名曲… 邦題は「血まみれの日曜日」と同じく、1972年に北アイルランドで発生した “血の日曜日事件” をモチーフにした曲である。

【第2位】 マスター・ブラスター / スティーヴィー・ワンダー

アルバム『ホッター・ザン・ジュライ』に収録。デヴィッド・ボウイ作品でお馴染みのデニス・デイヴィスが叩いている。この曲は、ボブ・マーリーに捧げられたと言われるように、ゆったりと、でも大胆にレゲエのリズムを取り入れてグルーヴ感を醸し出している。まさにスティーヴィーの面目躍如と言った、ディスコ・レゲエの定番である。

【第1位】 ホット・フォー・ティーチャー / ヴァン・ヘイレン

アルバム『1984』に収録。イントロから炸裂するアレックス・ヴァン・ヘイレンのドラムが、この曲のトレードマークだ。デイヴィッド・リー・ロス(ボーカル)のド派手なパフォーマンスや実弟エドワード・ヴァン・ヘイレン(ギター)のトリッキーな奏法に注目が集まりがちなバンドではあるが、この曲の主役は何と言ってもアレックスだろう。もっとも、歌の中身は死ぬほど下らないのだけど。


Billboard Chart & Official Chart
■ Rock With You / Michael Jackson(1980年1月19日 全米1位、3月1日 全英7位)
■ Master Blaster(Jammin') / Stevie Wonder(1980年10月4日 全英2位、12月6日 全米5位)
■ Rosanna / TOTO(1982年7月3日 全米2位、1983年4月30日 全英12位)
■ Hot For Teacher / Van Halen(1984年11月24日 全米56位、1985年6月15日 全英87位)

Billboard Chart&Official Charts(Album)
■ Off The Wall / Michael Jackson(1980年2月16日 全米3位、2009年7月18日 全英3位)
■ Hotter Than July / Stevie Wonder(1980年11月8日 全英2位、12月6日 全米3位)
■ TOTO IV / TOTO(1982年7月10日 全米4位、83年3月5日 全英4位)
■ WAR / U2(1983年3月12日 全英1位、5月7日 全米12位)
■ 1984 / Van Halen(1984年3月17日 全米2位、3月17日 全英15位)



2020.10.27
107
  Apple Music


  YouTube / Stevie Wonder


  YouTube / U2
 

Information
あなた
Re:mindボタンをクリックするとあなたのボイス(コメント)がサイト内でシェアされマイ年表に保存されます。


おすすめのボイス≫
1965年生まれ
飛影
80年代縛りで敢えてそのお題を引っ張り出しますか笑。
単なるカウント出しやその延長〜単純なパターンの繰り返し〜じゃなくドラムソロ(の一部)たりえて、その上ある程度売れたシングル/アルバムの曲となると難しい〜もちろんカッコいいカウント出し的なのも有りだし、その意味でもHot for Teacherは最高!大好きです。
あと晩年のJ.ポーカロが、リズムマシンの性能が上がってきて仕事が減った、とコメントしてたのを思い出した。

ギリ80年代手前で大して売れてもいないけど、79年にバリバリのヤツ有ります。やっぱ70年代かなドラムイントロは・・・。
https://www.youtube.com/watch?v=_d2a1ussAKc
2020/10/29 18:09
1
返信
1965年生まれ
中川 肇
生歌生演奏が当たり前の70年代から打ち込みの80年代に変わり、ドラマーの立ち位置も変わりつつあった中での80年代縛りは正直キツイです。それにしてもこのビデオ、変拍子(ポリリズム?)満載のチョー変態サウンド、まさにプログレだなー・・・
2020/10/30 10:20
1
カタリベ
1965年生まれ
中川肇
コラムリスト≫
24
1
9
8
4
プリンス「パープル・レイン」ナンバーワンに匹敵する1位になれなかったシングル
カタリベ / KARL南澤
50
1
9
8
3
新しい時代の扉が開いた瞬間、マイケルのアレと僕らの不格好な後ろ歩き
カタリベ / 宮井 章裕
11
1
9
8
0
デイヴィッド・フォスターとジェイ・グレイドン、エアプレイが残した唯一のアルバム
カタリベ / ふくおか とも彦
35
1
9
8
2
すべて40年前に登場!後の時代を席捲する1982年エンタメランキングTOP10
カタリベ / 太田 秀樹
45
1
9
8
2
はじめて買ったレコードは TOTO ー 聖なる剣のミュージックテープ!
カタリベ / 阿野仁マスヲ
46
1
9
8
5
80s音楽にビジネスを学ぶ:ウィアーザワールドと多様性マネジメント 前篇
カタリベ / 中川 肇