フィギュアスケートの原石、鍵山優真
冬本番! フィギュアスケートの季節ですね。とはいえ、今シーズンは残念ながら多くの大会が中止となって残念です…。毎年の冬のお楽しみが無いのは残念ですが、がんばってきた選手の皆様が一番つらいですよね。早く、事態が収束して安心して観戦できる日をじっと待ちます。
さて、どの選手も大好きですが、最近、私が注目しておりますのが鍵山優真選手です。横浜出身の私としては横浜銀行アイスアリーナ(神奈川スケートリンク)が練習拠点というだけで、もう、お母さんのような気持ちになっちゃいます。
2020年11月のNHK杯では、アイスダンスの高橋大輔選手が話題でしたが、男子シングルで堂々1位だったのがこの鍵山選手だったのです。今シーズン、シニアデビューなのでまだまだ子供っぽいあどけなさがありますが、輝きはじめてきた “原石感” これからに大期待です。
鍵山優真が選んだフリー曲、ジョー・ジャクソン「スピード・ウェイ」
この鍵山選手ですが、私が「おおっ!」て思ったのは、2019年のジュニアだった時のプログラムで、フリーの曲が私の大好きなジョー・ジャクソンだったんです!
「スピード・ウェイ」という曲で1988年の映画『タッカー』のサントラアルバムに収録されてます。明るい、弾けるようなジャズべースの曲で、サントラらしく場面展開が目に浮かぶような秀逸な曲です。
古いノスタルジックなジャズをプログラムで使うことはよくありますが、敢えて、有名なスタンダード曲を使わずに、この曲を使うっていうところが、「センスいいなぁ」って思いましたね。振り付けもジュニアの弾けるような感性が素直に乗った、良いプログラムだったんですよ!
映画「タッカー」コッポラ監督も気に入った「ジャンピン・ジャイブ」
ジョー・ジャクソン―― 私、以前
『ピアノを効かせた大人のPOP、ジョー・ジャクソンはカメレオンダンディ』でも書きましたが、好き好き大好きなんです!「ステッピン・アウト」の曲が入ってる『ナイト・アンド・ディ』が一番有名かもしれませんが『ジャンピン・ジャイブ』も私の大好きなアルバムです。これは1981年のアルバムで『ナイト・アンド・ディ』の1年前の作品ですが、40年代のジャズを上手く彼なりにアレンジ、カバーをしていて、何も知らなかった中学生のころの私は、しばらくオリジナル曲かと思ってました。
この『ジャンピン・ジャイブ』を聴いたコッポラ監督が気に入って、映画『タッカー』の音楽にジョー・ジャクソンを起用したという話があり、「さすがコッポラ、お目が高い!」って思いましたね。もちろん、監督の期待に応えたジョー・ジャクソンの音楽によって、映画は、古き良き40年代の雰囲気を存分に醸し出すことに成功してます。
ジョー・ジャクソンのクラッシク、ジャズ、ロックのセンスをぐるぐるっと混ぜて、80年代のエッセンスを加える。そうしてできた楽曲は、「ジョー・ジャクソンが40年代の映画音楽を作り上げるとこうなる!」っていう、ジョー・ジャクソンの “粋”。ジョー・ジャクソンの作った『タッカー』のサントラ、ホント、いいんですよ。
父も使った曲、シニアに挑む鍵山優真の決心
この『タッカー』という映画、大手メーカーの妨害にも負けずに自分の目指す車を作るために夢を追いかける実話に基づいたストーリーです。ちなみに、「スピード・ウェイ」は、鍵山選手のお父様(スケーターでアルベールビル、リレハンメル五輪代表だった鍵山正和さん)も使った曲とのことですが、これからシニアで巨人たちに挑んでいく鍵山選手の決心みたいなものを表わす選曲だったのかもしれませんね。
そんな鍵山選手の、さらに成熟した「スピード・ウェイ」をぜひぜひ観てみたいです。ジョー・ジャクソンの“粋” を体現するプログラムを心から待ってます!
2021.01.06