コンビニに寄ったら「POPEYE」が目に飛び込んできた。表紙が「二十歳のとき、何をしていたか?」。久しぶりに手に取ってみた。立ち読みで済まそうと思ったけど、ちょっとめくったら強烈な文字量でとても読めない。すごい特集。とりあえず買っとこう、全部読まないだろうけど。
というか、読む前に自分が二十歳のときに何をしていたかが気になって、ちょっと書き留めたくなった。いつもと趣向は違うけど、お付き合いください。
二十歳のときは大学生。1986年、バブル直前。流行語や新語の類は「究極」「激辛」「ファミコン」「新人類」「おニャン子」「プッツン」…… 今と違って全部流通していた言葉だ。春には岡田有希子が自殺し、冬にはビートたけしが「FRIDAY」編集部に殴りこんだ。フジテレビの目玉マークが生まれたのもこの年。まだ消費税はなかった。
で、おれ。目を閉じて思い返してみる。。。うーん、やっていたことは、音楽を聴く、本を読む、仲間と酒を飲む、デートする、映画を観る、そしてたまにバイト。あ、あと麻雀。いやいやそんなはずは、と必死で思いまわしてみたが、たぶんリアルにこれしかやってない。大きな野望があったわけでもなければ、脂肪があったわけでもない。大体において俺は55キロだったのだ。いや違う違う、そうじゃない(♪愛は渡せないー)。
愕然とするのは、これ今とほぼ変わんねーじゃねーかってこと。そりゃ仕事はしてるし、麻雀は久しくやってないけど、なんなんだこの成長のなさ。イチローは200本安打を達成して、テイラー・スウィフトがグラミーを獲った20歳。いいのか俺、50歳。娘が20歳(笑)。
まあ、目に入るもの全てが新鮮で楽しかったけどね。その吸収力だけは今の比ではない。カッコよく言うと、こんな感じ。青年失業家・田中泰延さんの言葉をそっくりそのまま引用させてもらう。
> 80年代、とてつもない量の燃料を、僕は積み込んだ。
そう、どれだけ多くの音楽を聴いて、どれだけ多くの本を読んで、どれだけ仲間と話して、どれだけ彼女に抱きついて、どれだけ多くの映画を見たか。これはもう誰にも負けないくらいの量だ。まあ歳を重ねるにつれ、上には上がいるってことが分かるのだが、結構な量だとは思う。この大量のインプット時期がなければ、恐らく今の自分はない。
そして、大好きだった佐野元春。1986年には『Café Bohemia』というアルバムをリリースした。当時30歳。その一挙手一投足に注視し、彼の紡ぐ言葉や音楽をひたすら聴いていた。この作品に関しては稿を改めよう。
(明日につづく)
2017.02.27
YouTube / 佐野元春 - DaisyMusic
Strange Days −奇妙な日々− / 佐野元春
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