1991年の夏、人生で初めて恋愛ドラマにはまった。「101回目のプロポーズ」(フジテレビ系)で、浅野温子が演じる「矢吹薫」と武田鉄矢が演じる「星野達郎」の恋の行方が気になって仕方なかったのだ。
結婚式の当日に婚約者を事故で亡くした30歳の美人チェリストと、彼女に惚れ込んだ42歳の冴えない男の物語だった。このふたり、ビジュアル的なバランスが極端におかしいのだが、惚れた女に一途に猛進していく男にはそんなのカンケーねえ。てか、「男ってそうあるべき!」くらいに思わせてくれた。
押して押して、時に弱気になって、でも、最後の最後はハッピーエンド、と書くとあまりにもあっけないけど、うまくいきそうになったりダメになったりのいじわるなストーリー展開に、あたかも自分が達郎になったかのように、ぐらぐら心を揺らし、ときに涙ぐんだりするほどハマってしまった。
最終話の視聴率は36.7%にもなったようだから、もしかするとあなたもハマっていたのかも。
「また好きな人を失うのが怖い」という薫の言葉に、車道に飛び出し走るダンプをギリギリ急停止させたときの逹瑯のセリフ「ぼくは死にましぇん!」は流行語大賞にもなったほどだし。もしドラマにハマっていなければ「いや死ぬだろ!」とツッコミを入れたくなるほどありえない演出だったが、当時はそんなシーンにもなぜか感動していたのだ。
あ、なんだか、ドラマの紹介みたいになってしまったが、実は、このドラマの影響で、ぼくは CHAGE & ASKA の「SAY YES」が大好きになった。「万里の河」以来、彼らの歌に惹かれた。
余計な物など無いよね
すべてが君と僕との愛の構えさ
歌い始めのそのフレーズにグッときて自分の恋愛の糧にしたし、心に絡みついてくるような ASKA の歌声にも惚れ、カラオケでも何度も歌ってきた。
2014年のあの騒動以降、あまり CHAGE & ASKA の名前も聞かなくなったが、ぼくのようにこの歌にいろんな思い出を刻んでいる人は多いに違いない。バブル崩壊の年にリリースされたにもかかわらず、シングルの累計売り上げが300万枚近くに及んだ名曲なのだ。
2016.05.03
YouTube / CHAGE and ASKA Official Channel
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