くぅぅう… 涙を飲んだコンサート、ハワード・ジョーンズの武道館公演

皆さま、高校生のときは誰のコンサートに行きました？ 高校生のときに行ったコンサートの話題って、格別ですよね。私、ユリンベはこの話題を聞くのは大好物なのです。でも、話すことにはめっぽう弱かったんです。くぅぅうっとなってしまう苦い経験があって…

その、苦い思い出の相手はハワード・ジョーンズ。決してハンサムではないんだけれど、ハワード・ジョーンズに女子が夢中になっていた時代って、ありましたよね。当時、イアン・マッカロクに続き、ハワード・ジョーンズヘア風の男の子が少女マンガによく登場していたことを女子の皆さまは覚えていらっしゃるかと思います。

そういえば、イアンは顔もちゃんとイアン風で登場していたのに、ハワードの顔は普通のハンサム顔になってましたね。あの髪型と「ホワット・イズ・ラヴ？」のPVの衣装がよく使われていただけだったのかしら？

奥目も足首のほっそい感じも私的にはかなりツボでしたし、ハンサム顔じゃなくても彼の音楽大好きでした。音楽性は違うかもしれないですが、彼からペット・ショップ・ボーイズ、デペッシュ・モード、イレイジャーなど、音楽を聴く道が広がったのでありがたい存在だったのです。

そんな彼が武道館でコンサートを開くというニュース！ コンサートに行ってみたい… そんな気持ちがムクムクと盛り上がりました。当時、高校生ユリンベの家は大変厳しかったのでコンサートなど行かせてくれるわけがなく、涙を飲んだコンサートは数知れず。だけど、ハワードならばOKが出るじゃないか？ 真面目そうだし、行けるかも！

そこから、ユリンベから両親へのプレゼン開始。

曲を聴かせたり、PVを見せたり、インタビューを読ませたり… 苦労人で、真面目なハワードの人柄をにじみ出させた私のプレゼンに真面目な父母はまんまとハマり、ついに説得に成功！ やった!? これ、ボン・ジョヴィやモトリー・クルーだったら、絶対OK取れなかった自信あります。

コンサートは９月の初めだったので、宿題も終わらせ、万全で挑もうとしていた私にまさかの事態が襲いかかったのはコンサートの１週間前。絶望の中、病院のベットに私はいたのです。

『盲腸炎』来たか、このタイミングで。

夏休み中の絶好のタイミングとばかりにあっという間に手術決定。今ならば、１週間後のコンサートならスタンディングでも行くけれど、当時は親に逆らえず、ここで、コンサートはキャンセル決定。

退院してから「毛を剃ったんでしょ！ えー！ キャー！」なんてクラスではきゃっきゃっされましたが、私は「お前らー！ 私は、毛より大事にものを失ったんじゃー!!」と叫びたい気持ちでいっぱい。毛とか、そんなのどうでも良かった… しばらくチクチクする度にコンサートに行けなかったことを思い出し辛かった。くぅぅう。

時は流れ、2017年にハワードが来日。彼は、ちょっとだけ髪のボリュームは減ったけれど、素敵な奥目と足首は健在、昔の曲もたくさん歌ってくれました。

この日、私の30年に及ぶ長い旅は終わり、あの日の無念がようやく昇華されたのでした。

2018.04.01