1月10日

タイトルは「ニューヨーク」ルー・リードが80年代の最後に放った大名盤!

29
0
 
 この日何の日? 
ルー・リードのアルバム「ニューヨーク」が米国でリリースされた日
この時あなたは
0歳
無料登録/ログインすると、この時あなたが何歳だったかを表示させる機能がお使いいただけます
▶ アーティスト一覧

 
 1989年のコラム 
昭和にあって令和にないもの? それは “たったひとり” で時代を変えられる 〇〇 の存在!

昭和が終わった日、ラストエンペラーと初めての自粛ムード

昭和から平成へ。キングダム・カムのハードロックと自粛ムード

吟遊詩人 ルー・リード、ニューヨークで生きる男の歌

頑張らなくていいんです。美空ひばりから学ぶ「川の流れのように」

美空ひばり最後のシングル「川の流れのように」52歳の若さで世を去った歌謡曲の女王

もっとみる≫



photo:FANART.TV  

1989年の名盤、ルー・リード「ニューヨーク」


早くも7回目の命日(10月27日)を迎えるルー・リード。『トランスフォーマー』(1972年)、『ベルリン』(1973年)、『コニー・アイランド・ベイビー』(1976年)など70年代に名盤を数多く残してますが、私にとっての名盤はリアルタイムで聴きまくった1989年の『ニューヨーク』です。

そもそもシングルヒットでチャートを賑わす人ではないので、80年代は特にシーンを賑わすことはほとんどなかったのですが、アルバムはコンスタントに出し続けていました。

『ブルー・マスク』(1982年)、『レジェンダリー・ハーツ』(1983年)など、現在では好評価が多い作品も発売当時はあまり話題にならずセールスも振るいませんでした。

退廃的な雰囲気は薄れ、サウンドも軽いタッチに転じた『ニュー・センセーションズ』(1984年)、『ミストライアル』(1986年)も同様。そんな中レーベルを移籍して発表した『ニューヨーク』を突如各メディアが絶賛し話題に。

ポイントは、フレッド・マーのプロデュースワークとルー・リードの歌詞


このアルバム、それまでの作品と大幅に違うわけではないんですが、シンプルながらもロックンロールのベーシックなカッコ良さを表現した佳曲揃いなんです。80年代に確立したサポートメンバー(残念ながら名手ロバート・クワインは何故かこの作品には参加してませんが)の演奏も素晴らしい。

無駄な音は一切ないし、これ以上足しても引いてもダメという完璧なパフォーマンス。ドラムを担当するフレッド・マーのプロデュースワークもツボを得てます。ちなみにフレッド・マーはそんなにプロデュース作は多くありませんが、2年後にマシュー・スウィートの『ガールフレンド』という超名盤を手掛けてます。センスあるなあ!

そしてやっぱり欠かせないルー・リードの歌詞。

あまりに多くの事象を内包する街の悲哀が『ニューヨーク』というアルバムコンセプトの下、それぞれの楽曲によってキレのある言葉で語られます。この時期のルー・リード、冴えまくってますね。

そういったアルバム全曲の連なりが見事なせいか、1曲目の「ロミオ・ハド・ジュリエット」のイントロのギターリフを聴いてしまったらあとはアルバム1枚、一気に聴いてしまう一体感が凄い。

最後は感動で泣けてくる、最高のロックンロールアルバム!


イントロのギターリフといえば忘れてはならないのが「ダーティー・ブルーバード」。このイントロだけでゴハン3杯はいけます! … って何のこっちゃ。まあ、それだけカッコいいということ。この曲、後に「スウィート・ジェーン」や「ワイルド・サイドを歩け」に並ぶほどの名曲扱いになりました。

疾走感溢れる「ゼア・イズ・ノー・タイム」、80年代版「ワイルド・サイドを歩け」とも思える「ハロウィーン・パレード」、壮大感に満ちた「ラスト・グレイト・アメリカン・ホエール」、激熱な叫びに痺れる「ストローマン」等々。複雑なコード展開がある曲はほとんどないのに、各曲がそれぞれドラマチックに響き渡ります。

これはまさに80年代最後に放ったルー・リードの大名盤。って書いてたらまた聴きたくなってきました。最高のロックンロールアルバムなんだけど、なんか最後は感動で泣けてくるんですよね。


※2017年10月11日に掲載された記事をアップデート

2020.10.27
29
  YouTube / RHINO 


  YouTube / Faux McCoy


  YouTube / RHINO 
 

Information
あなた
Re:mindボタンをクリックするとあなたのボイス(コメント)がサイト内でシェアされマイ年表に保存されます。
カタリベ
1968年生まれ
DR.ENO
コラムリスト≫
18
1
9
8
3
ネット世代のアイドルになった「クラウス・ノミ」初体験記!
カタリベ /  白石・しゅーげ
23
1
9
8
7
今をときめく凄腕エンジニア、マイケル・ブラウアーとゴンチチの初仕事
カタリベ / ふくおか とも彦
59
2
0
1
7
嵐の氣志團万博、山下達郎が歌う「ハイティーン・ブギ」これで決まりさ!
カタリベ / 平マリアンヌ
134
1
9
8
3
ビリー・ジョエル「イノセント・マン」原点回帰のロックンロール・レヴュー!
カタリベ / 藤澤 一雅
26
1
9
7
8
井上陽水とwhite、忘れられないあの日のキャッチボール
カタリベ / 鎌倉屋 武士
60
1
9
8
5
セクシャルな角松敏生!喘ぎ声に驚き、東京タワーのオシャレさに憧れた夜
カタリベ / 稲田 雪路