YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)やELO(エレクトリック・ライト・オーケストラ)、PIL(パブリック・イメージ・リミテッド)などアルファベット3文字で略される長い名前のアーティストがいくつかありますよね。同じように、EL&P(エマーソン、レイク・アンド・パーマー)やEW&F(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)なんていう何だか締まりの悪い略し方のアーティストもいます。
これらのアーティストの知名度にははるかに及びませんが、私の好きなUKの3文字アーティストがいます。それがOMD(オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダーク)です。なんか、こうして並べてみるとオーケストラ系多いですね。
音楽誌などで彼らの名前を見たときは、「難しそうな名前だから絶対難しそうな音楽だろうな」という勝手な思い込みにより、なかなか近寄りがたい存在でした。UKではそこそこのヒットを重ねていたようなのですが、日本ではそんなに人気があるようではない。特にルックスが悪いわけではないのに音楽誌のグラビアなどにも登場しない地味な存在。UKニューウェイヴシーンのアーティストとしてニュー・オーダーなどと同じ括りで語られることが多く、かなり気になってはいたものの、アルバム購入へのきっかけがなくスルー状態になっていました。
そうしてようやく初めて聴いたOMDは、映画『プリティ・イン・ピンク』のサントラに収録された「イフ・ユー・リーヴ」でした。想像していたダークで難いイメージとは全く違い、超ポップ! 早速当時としては最新のアルバム『クラッシュ』(プリティ・イン・ピンクの前年リリース)を購入、遅ればせながらファンになりました。
過去の作品なども買い集め、本国で大ヒットした80年の「エノラ・ゲイの悲劇」を聴いたときは、これCNNに使われてる曲や! と喜んだものです。84年に『CNNデイウォッチ』というニュース番組が始まって、日本でもCNNがちょっとしたブームだったことを思い出します。
勝手な思い込みをした自分も悪いですが、絶対名前で損しているバンドだと思います。前述の他の3文字アーティストに比べても華やかさがない感じがしますし。確かにメンバー全員地味な印象でスター感はなく、どちらかというと職人肌なんですが作品はどれも良質なエレポップの名曲が詰まった傑作揃いです(メロディーはウルトラキャッチ-なんですが、歌詞は物凄く暗かったりしますが)。
YMOとほぼ同時期の78年のデビューにもかかわらず、いまだ現役として新作を発表し続けているOMD。今からでも遅くない、OMDの3文字を浸透させましょう!
2016.12.13
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