今、テクノアイドルと言えば、誰もがPerfume(パフューム)を第一に思い起こすだろう。しかし、それ以前にもテクノを歌うアイドルは存在している。
時代を遡れば1980年代初頭のテクノ歌謡がその原点。当時、トップアイドルだった榊原郁恵さんが歌った「ROBOT」(1980年)の成功が最初のテクノアイドルを生み出す布石となったのではないかと思う。そういう流れの中で生み落とされたのが、スターボーというアイドルグループ。
もみあげを鋭角に剃り、襟足を刈り上げた髪型、YMOがしていたことからその名が付いたテクノカットが印象的な3人の女の子たち。
太陽系第10惑星スターボーからやってきた性別不明の宇宙人という設定で、誰もが夜空を見上げる七夕にリリースを合わせ「ハートブレイク太陽族」(1982年)でデビュー。作詞に松本隆さん、作曲が細野晴臣さんという強力タッグ。
曲のサビが短く流れ、グループ名をコールするだけのイメージCMが強烈に期待感を煽っていた。当時、一億円をかけたというプロモーションは何もかもが規格外でぶっ飛んでいて、彼女たちを生み出すために力を注いだ一流のクリエイターたちの想いやパワーがとにかく半端じゃなかった。
しかし、スターボーが爆発的な人気を得ることは残念ながらありませんでした。思えば設定キャラなど現在では当たり前のギミックを受け入れる受け皿もなく、時代の先を行き過ぎていたのでしょう。
NHK連続テレビ小説・あまちゃんの脚本家、宮藤官九郎さんが監修・選曲したコンピレーションアルバム『春子の部屋〜あまちゃん 80's HITS』(2013年)に同曲は収録されています。聴けば聴く程クセになる何気にトンがった曲だと私は思うのですが…
ハートブレイク太陽族
作詞:松本隆
作曲・編曲:細野晴臣
発売:1982年(昭和57年)7月7日
2016.01.16
YouTube / whojamuk
YouTube / mokuteX
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