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ブライアン・ウィルソンが紡ぐ、20年のドン底から生まれた極上のメロディ
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photo:WARNER MUSIC JAPAN  

バイトをしていたレコード店で当時よく聴いたのがブライアン・ウィルソンの初ソロアルバム『ブライアン・ウィルソン』だった。ある時期、店頭では毎日必ずBGMとして流していたし、多いときはリピートでずっと繰り返していることもあった。「またかよ」とか言いながら、気がつけば僕自身も好んで流すぐらい好きなアルバムになっていた。

僕はそれまでブライアン・ウィルソンのことを何も知らず、それどころかビーチ・ボーイズすらほとんど聴いたことがなく、せいぜい知っているのは「サーフィン・U.S.A.」ぐらいのもので興味を持つことが全くなかった。そんな僕でもこのアルバムはとても魅力的に感じた。1曲目の「ラヴ&マーシー」からラストまで、極上のメロディとコーラス満載の名曲が続く。アルバム全体に幸福感が満ちていて、聴き終わるとなんだか豊かな気持ちになってくる。

この頃、このアルバムと一緒に聴いたのがビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』だ。ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』に多大な影響を与えた名盤だという。でも僕は『ペット・サウンズ』をそれほど好きになることはなかった、なんでだろう?

ブライアン・ウィルソンの伝記映画『ラヴ&マーシー 終わらないメロディ』(2015年公開)を見て僕は初めてブライアン・ウィルソンに起こっていた数々のトラブルを知った。あの状況からブライアン・ウィルソンは『ペット・サウンズ』を一人で作り上げ、さらにその後のドン底からアルバム『ブライアン・ウィルソン』を形にするまでに20年。そんなに長い間、真っ暗なトンネルを歩き続けていたとは、これは並大抵のことではないだろう。大抵は戻って来れないし、戻って来たとしてもがっかりすることが多い。当時お祭りのようにこのアルバムを店頭で毎日繰り返し流していた理由がやっと理解できた。みんな嬉しかったんだな。

映画の中で『ペット・サウンズ』のレコーディング風景を再現しているシーンを見ていると改めてアルバムを聴きたくなってくる。聴いてみて分かったことがもうひとつ。『ペット・サウンズ』のエンディングで流れる、踏切の音、警笛を鳴らしながら走りすぎる列車、犬の鳴き声に得体の知れない不安を感じて僕はこのアルバムを何度も聞くことがなかったのかもしれない。でもあれこそがブライアン・ウィルソンが抱き続けた心象風景だったのだと今は思う。

2017.01.17
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カタリベ
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