7月7日

W浅野はガールクラッシュの元祖?浅野温子と浅野ゆう子が世の女性を熱狂させた理由

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トレンディドラマの女王、W浅野でおなじみの浅野温子・浅野ゆう子


時はバブル全盛期――。

男女雇用機会均等法が制定され、この時代を象徴していたかのような肩パットが流行。女性が自立して輝ける時代が本格的に到来しようとした80年代後半――。

そんな時代に、世の女性たちを熱狂させた女優が二人いた。トレンディドラマの女王、W浅野でおなじみの浅野温子・浅野ゆう子である。

温子は1986年から日本テレビ系列で放送された刑事ドラマ『あぶない刑事』でその自由でユニークな演技と、自身もこだわったというアーバンでお洒落な衣装で女性視聴者の心をつかみブレイク。

その少し遅れを取って、1988年にフジテレビ系列の月9枠で放送されたドラマ『君の瞳をタイホする!』でブレイクしたのがゆう子だった。

実はというと、それまでの彼女は「女の憧れの浅野ゆう子」では全く無かった。数多くのドラマに出演していたものの、それまでの彼女の主な活躍の場だった『週刊プレイボーイ』『平凡パンチ』『GORO』など主に男性向け雑誌のグラビアに登場していた時の印象を引きずっていたのだ。お色気全開のイメージが強かったゆう子に、世間の女性たちの目は冷たかったと聞く。

その目が憧れの眼差しへと変わったのが、先述の『君の瞳をタイホする!』だ。

女性誌に取り上げられるほどの人気となった浅野ゆう子トラッド


トラッドな衣装にナチュラルメイク。極めつけにメガネと、今までセクシー路線の印象が強かった彼女とは正反対のスタイルで登場したのだ。ちなみにこのトラッドスタイルは彼女個人の好みで、後に “浅野ゆう子トラッド” と女性誌で取り上げられるほどの人気となった。

さらにその役柄も、シングルマザーで子育てをしながら仕事も的確にこなし、その一方で恋愛に少し臆病になっているというなんとも応援したくなるような共感を集めるキャラクターだったのだ。

私はこれを密かに「赤いスイートピー現象」と呼んでいる。

なぜなら、この時の浅野ゆう子に対し、世間の女性たちから集まった共感は、ぶりっ子だと反感を買っていた松田聖子が、「赤いスイートピー」で女性たちの共感を一気に集め受け入れられるようになった現象と同じように感じられたからだ。



W主演の「抱きしめたい!」で不動の人気を誇るW浅野のマブさとは?


その後二人は1988年にフジテレビ系列で放送されたトレンディドラマ『抱きしめたい!』でW主演を務め、不動の人気を誇ることとなる。

ファッション、ロケ地、音楽、カタカナ職業、どれもが最先端でお洒落なこのドラマはカタログドラマともいわれ、流行の発信源となった。

劇中のコーディネートは平成生まれの私が見ても、どれも斬新かつ目に楽しいものばかり。シーンが変わるごとにいちいち「わぁ、素敵…!」とため息が漏れてしまう。

また、このドラマは恋愛が主なテーマでありながらあくまでメインはW浅野の友情にあるというところが後追い世代の私にとっても新しかった。女として女を楽しんでいる、そんな印象を受けた。

そしてもれなく私も当時の女性たちと同じように、W浅野に見事熱を上げてしまった。彼女たちはその役だけでなく、確実に、本人自身から滲み出る「マブさ」があった。

令和の今でこそ「マブい」という形容詞は死語となっているが、この言葉は見た目だけのカワイイ・カッコイイに限定されるものではなく、内側から滲み出る美しさも包括した存在そのものへの賞賛の言葉として私は使っている。

そして『抱きしめたい!』の爆発的な成功により、女性誌の特集などを通じて、W浅野の「マブさ」は文字として可視化されるようになる。

​​誰のためでもなく、自分のために自分を磨く。

周りに流されたり振り回されたりせず、意思を持ち、自分のしたいことを貫く。

男に媚びて自分の人生を預けない。

―― つまり、「マブい」の本質は「自分軸」にある。見た目だけでなく、こういった彼女たちのマインドこそが、バブル期という時代背景を持つ女性たちにドンピシャで響いたのではないだろうか。

一方現代でも、ガールクラッシュや自己肯定感向上などの単語を巷でよく耳にする。もしかすると世の女性たちは、常に新しいW浅野を求めているのかもしれない。

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2023.06.22
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カタリベ
1999年生まれ
浅野ナナ
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