松本隆の45周年記念イベントの模様をテレビで見ていた。はっぴいえんど人脈をはじめ、出るわ出るわ大御所! そんな中異彩を放っていたのがイモ欽トリオである。
歌うは、1981年のオリコンチャートで7週連続1位という快挙を成し遂げ、後にテクノ歌謡というジャンルの金字塔となった「ハイスクールララバイ」だ。大ヒット御礼当時同様、学生服姿で登場し「35年これで食べてます」と笑いを誘っていた。
フジテレビ系列の人気バラエティー「欽ドン!良い子 悪い子 普通の子」の企画シングル。ヨシオの山口良一、ワルオの西山浩司、フツオの長江健次というトリオ・ミーツ・テクノ(細野晴臣)である。
時代は確かにテクノだった。YMOの成功に続き、ジューシーフルーツやシナロケ、春先小紅と、ヒットチャートにピコピコシンセが目立っていた頃。
この曲は、オープニングで、その打ち込み演奏っぷりをワルオとヨシオの振り付けだけで表現するという荒技に出ている。そこにフツオの決め台詞「なー!」が絡む。コミックテイストだけにとどまらないのは、楽曲の完成度の高さに作詞、松本隆の力量もあるだろうか。
私はといえばヨシオのファンで、ファンレターを2回も送り、返事も頂戴した。アルバム「ポテトボーイズNo.1」(名盤)では、ヨシオのソロパートばかりに胸をときめかせていたJC時代。80年代初頭、サブカルチャーの産声を遠くに聞きながら、まだまだ少女はあどけなかった。
加えて1991年、パーティーで初DJをした時に初めてかけたという意味でも思い出深いのだ。あれはもしや、イモ欽トリオがダンスミュージックとしてフロアを沸かせた初の瞬間ではなかったかとちょっと自負している。
チッチキチッチキ♬ というイントロが流れた瞬間、誰もが上ずったような目をしてどよめいた。つかみはOKだった。笑い、盛り上がり、フロアは熱狂へ。いや、熱狂は言い過ぎだ。謝ります。すみません。
2016.02.27
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