初めて自分のお金で買ったレコードって覚えてますか?
僕が初めて自分のお金でレコードを買ったのは小学校を卒業して中学に入学する前の春休み、1978年の3月だ。ちなみにシングルレコードだった。自分で言うのも何だけど、結構ませた子供だった僕は、中学に入る前に自分のお金でレコードを買うんだって決めていた。自分のお金と言ってもお年玉だけど、中学生になる前に自分でレコードを買うことによって大人への第一歩を踏み出そうとしたのかな。
ちなみに、このタイミングではステレオはまだ持ってなく、レコードを買っても聴くことはできなかったんだけどね。レコードデビューという儀式みたいなものかな。
―― という訳で、当然初めて買うレコードを何にしようかと一生懸命考えた。
初めて買うのに相応しい曲、実はずっと前から決めていて、それはイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」だった。日本では 1977年4月にリリースされたイーグルスを代表する名曲中の名曲。
初めてラジオから流れるこの曲を聴いた時、その美しいメロディに鳥肌が立つほど感動したことを覚えている。当時はラジオにかじりついて、聴きたい曲が流れてくるのを待つしかない時代だったけど、僕はここからイーグルスにはまり込んでいくことになる。もちろん52歳になった現在もイーグルスは大好きなバンドのひとつのままである。
初めて買ったレコードのことを強烈に覚えているのにはもうひとつ理由がある。このコラムのタイトルがその理由。いざ、町のレコード屋に出陣した時の話だ。
「ホテル・カリフォルニア」を大事そうに持ってレジに並んだ僕の前に40歳くらいのオジサンがレコードを買っていた―― そのシングル盤のタイトルは「およげ!たいやきくん」。
すると店主が、「ホテル・カリフォルニア」を持って並んでいる小学生の僕を見て、そのオジサンにこう言ったんだ。
「小学生がホテル・カリフォルニアを買うのに、いい歳してたいやきくんか~」
そして「キミはかっこいいね!」って。
そう、大人に褒められて鼻高々のレコードデビューだったのです。
※2016年1月9日に掲載された記事をアップデート
2018.04.25
YouTube / coto.pops music
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