1977年 4月13日

睡眠時間は45分!世紀のスーパーアイドル【ピンク・レディー】と TBS の音楽バラエティ

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ピンク・レディーが出演していた「みどころガンガン大放送」


世紀のスーパーアイドル ピンク・レディー、彼女たちこそ私のテレビ人生の原点であり、青春そのものである。

今から47年前、1977年(昭和52年)TBSに入社した私が、最初に仕事をしたのがピンク・レディー。4月に入社して研修を受け、6月に配属されたのが制作局演出部、担当番組が『みどころガンガン大放送』だった。

この番組は同年4月に始まった水曜19時台の30分番組で、歌にコントの音楽バラエティ。出演は、ピンク・レディーをはじめ、せんだみつお、藤村俊二、志穂美悦子、ザ・ハンダース(清水アキラ、アパッチけん、アゴいさむ、桜金造、鈴木末吉、小林まさひろ)という面々。毎週ゲスト歌手も加わり、歌やコントを繰り広げた。

もちろん私はペーペーの新人、ADであり、フロアでディレクターの指示のもと這いずり回っていた。ピンク・レディーはレギュラーだから毎週顔を合わせる。前年にデビューした彼女たちは、この時点でトップスター。ちょうど4枚目のシングル「渚のシンドバッド」をリリースしたばかりのスーパーアイドルだった。

ビューティ・ペアとの共演は最高視聴率を記録


7月には大磯ロングビーチで全面ロケ。ピンク・レディーの2人は水着姿でビーチやプールサイド、ヨットの上で歌い、今でいうミュージックビデオのような映像を作った記憶がある。この時も位置決めからリハーサルの進行、楽屋への呼び込みから飲み物の手配までAD業務を行った。

この番組で一番盛り上がったのは、当時人気絶頂の女子プロレス界のアイドル、ビューティ・ペアがゲストで出演した回。スタジオにリングを作り、2組がヒット曲を歌ったこの回は20%以上の最高視聴率を上げた。

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ピンク・レディーの超過密、殺人的なスケジュールとは?


ここから約2年間、ピンク・レディーの2人とは毎週のように一緒に仕事をしてきたが、不思議なことに一緒に食事をしたり遊んだりしたことが無いのはもちろん、話した記憶もほとんどないことだ。

というのは、当時の彼女たちのスケジュールといえば、今も語り草になっている超過密、殺人的なスケジュール。当時は各局に音楽番組やアイドル番組がいくつもあり、テレビだけでも1日13〜15本こなしたという話もある。これに加え、ラジオ、雑誌のグラビア、取材、レコーディング、振付、コンサート、CMなど膨大な量の仕事、睡眠時間がひどい時で45分、移動中の車の中でバナナやリンゴを食べ、衣装替えも車の中でやっていたという。本人たちもこの2年間のことはほとんど覚えていないらしい。そんな中、スタジオにはいつもギリギリ飛び込みで入り、1曲リハーサルで歌うと、モニター横でぐったりと動かず、本番になるとさっと立ち上がり見事に歌い切り、終わるとすぐにスタジオを飛び出す、というのが定番だった。

ある時、彼女たちの歌を緊急で収録するため、マネージャーに出演を依頼したところ、深夜の12時から明け方4時しか空いてないとの事、TBSのスタジオは24時以降使えないため、急遽渋谷のビデオスタジオを押さえ、真夜中から明け方に収録したことがある。スタジオで疲れ切って動けない2人に声をかけることもできなかった。



「UFO」の大ヒットにあやかった「UFOセブン大冒険」


77年10月、番組は『たまりまセブン大放送!』に変わり、ピンク・レディーは5枚目のシングル「ウォンテッド」が大ヒット。この番組も『みどころガンガン大放送』を継承した音楽コントバラエティ。

ピンク・レディー、せんだみつお、ハンダースに、清水健太郎、小松みどり、元阪神の辻佳紀、デビューしたばかりの榊原郁恵も加わったレギュラー陣。もちろんメインはピンク・レディー。この年、超多忙のケイが盲腸で緊急入院してしまう。いずこもてんやわんやの大騒ぎになっていたが、なんとケイちゃん、2週間入院のところを8日間で退院。9日目には武道館コンサートのリハーサル、10日目には武道館で本番を迎えたという。なんでも傷口が閉じていないまま体にラップを巻いてコンサートに臨んだらしい。音楽番組やイベントが全盛の中、今のような “働き方” も無い時代、今では考えられない昭和のエピソードである。

そして、12月には6枚目のシングルが発売。空前の大ヒットとなりまさに絶頂期を迎える。翌78年4月には、「UFO」にあやかって、番組も『UFOセブン大冒険』に変わる。レギュラーはピンク・レディーと榊原郁恵だが、メインは郁恵。未来から来た郁恵がタイムマシンで様々な時代に行きながら、未来で待つ2人の姉(ミイとケイ)の元に帰るというドラマ仕立てのバラエティ。これもピンクのスケジュールを考慮しての苦肉の策だった。

ちょうどこの時期、まだ更地だったお台場の船の科学館で開かれた “宇宙博” の会場で2人が「UFO」を歌うというロケがあった。舞台がアポロの月面セットという、かっこいい設定だったが、私はディレクターの無理難題で、歌う2人の後ろで着ぐるみでピョンピョン跳ねる役をやらされた。月面だけに “月のうさぎ” という役どころで、歌う2人の後ろで白うさぎが懸命に跳ね続けていた。さすがにミイもケイも大爆笑、今でも恥ずかしい経験だが、忘れられないいい思い出でもある。

青春時代、一番近くにいて一緒に歩いてきたのがピンク・レディー


さらに彼女たちの快進撃は続き、同年には「サウスポー」「モンスター」も大ヒット。そしてこの年の暮れ、ピンク・レディーは「UFO」で遂に日本レコード大賞に輝く。

本命視されていた沢田研二、山口百恵を出し抜いての堂々の大賞受賞であり、レコード大賞初のアイドルが大賞に輝いた瞬間だった。翌79年3月に『たまりまセブン大放送』は終了し、ピンクレディーのレギュラーも終わるが、その後も『ロッテ 歌のアルバム』でもハワイロケに同行。ワイキキビーチで歌ってもらったこともあった。この時も日帰りとまでは言わないが、彼女たちはとんぼ返りだった。『クイズ列車出発進行』という列車の中でクイズをやる番組では、東海道新幹線の静岡駅のホームで歌ってもらったこともある。

私にとっても彼女たちにとってもあっという間に駆け抜けた約2年間だった。当時は本人たちと親しい関係を作る機会がなかったが、その後、2人とは何度か会う機会があり、特に未唯mieさんとは、今でも彼女のライブに行ったり、親しくお付き合いさせていただいている。

やはり、彼女たちにとっても一番大変な時代に近くにいて、当時をよく知ってる私のことを気心許せる人間だと思ってくれているのかもしれない。私にとっても青春時代、一番近くにいて一緒に歩いてきたのがピンク・レディーであり、彼女たちの頑張りが自分にとっても大きな励みになったのは間違いない。そして、後にも先にもあれだけ多忙な中、爆発的な人気で光り輝き、社会現象にまでなったアイドルは、ピンク・レディー以外見たことがない。そんな彼女たちと最初に仕事できたことは私にとって大きな誇りであり財産である。



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2024.05.19
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カタリベ
1955年生まれ
齋藤薫
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