ヤマハが主催するアマチュアバンド・コンテスト『East&West '77』に出場。1978年には、大瀧詠一プロデュース『LET’s ONDO AGAIN』収録の「禁煙音頭」のボーカルに「竜ケ崎宇童」として起用された後、シャネルズのリードボーカリストとして1980年にデビュー、1983年にはグループ名をラッツ&スターに変更。その後1986年にソロシンガー・鈴木雅之としてデビューした。以降、様々なミュージシャンとのコラボレイトを含めて、様々なサウンドで、熟成したラブソングを中心に歌い続けてきた。
彼はおとなの恋の歌、いわゆる “不条理な恋” の世界を堂々と歌える歌手だ。70’sソウルの名曲「Me and Mrs. Jones」に代表されるロマンティックなR&Bのバラードや、彼自身が憧れていて大好きなボーカリストのマーヴィン・ゲイ、ルーサー・ヴァンドロスなどに通じるスウィートな雰囲気を持った、一声聴いて “Martin” とわかるヴォーカルで、大人が歌う恋の歌を日本のポップス界に根付かせた。
2021年には、一発録りYouTubeチャンネル “THE FIRST TAKE” で、「恋人」を大坪稔明さんのピアノにのせた、シンプルなアレンジで配信した。こちらも、さらっとした中に隠しきれない情熱が溢れている。ゴージャス感があるオリジナルよりもストイックな表現で、2020年代にフィットした作品として仕上げられているという印象がある。