1980年のジョン・レノンの死後、ザ・ビートルズの何度目かのブームが世界的に巻き起こりました。最近でいえば、マイケル・ジャクソンの死後の時のような感じだったでしょうか。私も洋楽に目覚めたころであまり聴いたことがなかったザ・ビートルズに当然のようにはまっていたものです。
そうしたブームがまだ続いていた1981年、ラジオでディスコっぽいビートルズが流れてきたんです、それもメドレーで。そう、それこそスターズ・オン45というプロジェクトによる「ショッキング・ビートルズ」。原題は曲名もプロジェクト名も「スターズ・オン45」なんですが、邦題はわかりやすく「ショッキング・ビートルズ」。
これには非常に驚いたと同時にその斬新さにすぐに虜になりました。「Wo Wo Wo Woo Wo Wo~」という女性コーラスに始まり、バナナラマでお馴染みのショッキング・ブルーの「ヴィーナス」、アーチーズの「シュガー・シュガー」などを挟んで「ノー・リプライ」からのビートルズメドレー。今聴いても見事なミックス! すぐにシングル盤を買ってきて何度も何度も聴きまくりました。オリジナルのザ・ビートルズの楽曲を聴きなおした時にハンドクラップがないと物足りない、とまで思ったくらいに。
このスターズ・オン45が凄いのがザ・ビートルズのメンバーの声にそっくりな人を起用したこと。特にジョン・レノン役の人がいい。似ているし、上手い! 冒頭の「ノー・リプライ」の出だしにはホント痺れます。そしてサビよりも印象深いところを抜き取った曲の繋ぎが絶妙です。
そして、やはりというべきかこの曲は全米1位全英2位と世界中で大ヒット。アルバム用ロングプレイの「スターズ・オン33」(回転数のことだったんですね)やアバ版、ローリング・ストーンズ版など様々なヴァージョンも出現しました。スターズ・オン45のプロジェクトではないのですが、クラシックの名フレーズをディスコ・メドレーにした「フックト・オン・クラシック」もおススメです。
ザ・ビートルズの中でもそんなに超有名曲を使用していないこの斬新なプロジェクト。今も色褪せないし凄いなと思うのですが、それにしてもザ・ビートルズの楽曲って、とんでもないパワーなんだなあ。
2016.03.12