12月17日

アメリカが生んだ最強デュオ、ダリル・ホール&ジョン・オーツ

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ホール&オーツのシングル「セイ・イット・イズント・ソウ」がビルボードHOT100で最高位(2位)を記録した日
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photo:Discogs  

共有感満載の80年代洋楽ヒット!ビルボード最高位2位の妙味 vol.32
Say It Isn’t So / Daryl Hall & John Oates


アメリカが生んだ最強の男性デュオ。50年代以降、エヴァリー・ブラザーズ、ライチャス・ブラザーズ、サイモン&ガーファンクル… いくつかのビッグネームが名を轟かせるが、こと70年代後半~80年代でいえば、ダリル・ホール&ジョン・オーツ(以下ホール&オーツ)の右に出るものはいない。

ホール&オーツは、アメリカのみならず全世界の歴代男性デュオグループの中で断トツの全米ナンバーワンソング数である6曲を保持する。

シニカルな極上ポップ「リッチ・ガール」、どこを切っても高品質ポップ「キス・オン・マイ・リスト」、日本ではディスコでも大受け「プライヴェート・アイズ」、ブルー・アイド・ソウルの極致「アイ・キャント・ゴー・フォー・ザット」、60年代モータウンビートを採り入れた「マンイーター」、80年代的なゴージャスさを携えた「アウト・オブ・タッチ」。

特に「キス・オン・マイ・リスト」以降の5曲のトップ到達ソングは、80年代洋楽を代表するような世界的ヒットでもあり、日本での共有感もかなり高い作品たちであろう。

これらナンバーワンソングに次ぐ彼らの最大ヒットといえば、80年代30番目に誕生した「セイ・イット・イズント・ソウ」(83年12月~84年1月4週2位)だ。

80年代前半のホール&オーツといえば、シングルを出せばトップ10入りを連発する大ヒット、まさしく向かうところ敵なし。この曲は飛ぶ鳥を落とす勢いという時期の作品である。

ダリル・ホールのR&B / ソウル・ミュージック好きはよく知られた話で、ホール&オーツのヒットソングには時折その手の趣向が盛り込まれるが、80年代前半のこの時期も例外ではない。

R&Bシングルチャート1位となった「アイ・キャント・ゴー・フォー・ザット」、明らかな60年代モータウンビートである「マンイーター」、レイドバック・ソウル「ワン・オン・ワン」といった作品と共に「セイ・イット・イズント・ソウ」もしっかりとR&Bチャートにエントリーしている。

もちろんポップミュージックという大前提はあるものの、80年代的なブラコンを纏ったディスコソウルテイストを加味したり、50年代に活躍した名門ドゥワップグループ、フラミンゴズの代表曲「アイ・オンリー・ハヴ・アイズ・フォー・ユー」のコーラスフレーズをさりげなく採り入れたり、ほぼ同時期に初ナショナルヒットとなったマドンナの「ホリデイ」をプロデュースしたジェリービーンを12インチシングルのリミキサーに起用したり、実は「セイ・イット・イズント・ソウ」って、ホール&オーツのレパートリーの中でも結構凝った力作だったのだ。

プロデューサーに初めてソリッド&シャープ・サウンドを身上とするボブ・クリアマウンテンを起用したのも、力作たる所以といえよう。彼はローリング・ストーンズ「ミス・ユー」(78年1位)、「スタート・ミー・アップ」(81年2位)を大ヒットに導き、後にブライアン・アダムスやボン・ジョヴィを手掛けている。

直後に放った最後のナンバーワンソング「アウト・オブ・タッチ」みたいな派手なポップヒットにスポットライトはあたりがちではあるが、ホール&オーツのトップ40ヒットに外れはないので、「セイ・イット・イズント・ソウ」を今一度耳にしてみるのもいいかもしれない。


脚注:
■Rich Girl
(77年1位)
■Kiss On MyList
(81年1位)
■Private Eyes
(81年1位)
■I Can’t Go For That
(82年1位)
■Maneater
(82年1位)
■Say It Isn’t So
(83年12月~84年1月4週2位)
■One On One
(83年7位)
■Out Of Touch
(84年1位)

2017.07.05
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カタリベ
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KARL南澤
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