芥川賞作家、又吉直樹さんの「火花」の表紙デザインを見ていたら、YMOの『サーヴィス』というアルバムの赤っぽい火花のような色彩が目につくジャケットを思い出した。
お笑いと音楽といえば、伊武雅刀さん、小林克也さん等が参加した「スネークマン・ショー」とYMOのコラボレーションがあまりに有名だが、1983年当時、ラジオ番組「ヤングパラダイス」内で短い1コーナー「S.E.T.劇場」を担当していた三宅裕司さんがYMOの解散記念アルバムでコントをやるというので衝動的に買ったのがこの『サーヴィス』だった。
そもそも「オールナイトニッポン」にレギュラー出演していた高橋幸宏さんが、番組が始まる前の待ち時間に三宅さんのコーナーをスタジオで聴いていて気に入ったのがきっかけで大抜擢されたのだが、YMOの珠玉の名曲の合間に三宅裕司率いる劇団S.E.T.(スーパー・エキセントリック・シアター)のナンセンスコントが差し込まれることが1リスナーとしてなんだかとても嬉しかったのを覚えている。
アルバムには7つのコントが収録されているのだが、実はそのなかの一篇で三宅さんとYMOの面々が落盤で洞窟に閉じ込められた探検隊を演じている。閉所恐怖症の幸宏さんがオタクキャラの細野さんに徹底的に虐め抜かれるという実にレアな内容… コント作家・三宅裕司の真骨頂でしたね(笑)。
その後、三宅さんはこのアルバムでの成功を発火点に「ヤングパラダイス」のメインDJに昇格。ヤクザとの遭遇体験を紹介する「恐怖のヤッちゃん」といったコーナーがブームとなり一躍注目を浴びることになります。
追記:
お気に入りの収録曲は詞とメロディを気持ちよく反復させ日々の生活を表現した「Perspective」。ちなみに坂本さんのソロアルバム『/04』にもピアノ連弾で再収録されているので是非聴いてみて下さい。
Perspective
作詞:坂本龍一, ピーター・バラカン
作曲:坂本龍一
発売:1983年(昭和58年)12月14日
2015.12.29
YouTube / Todd Franker
YouTube / kei waka
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