5月11日

スウィング・アウト・シスター来日公演中!「ブレイクアウト」でワクワク感が止まらない

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スウィング・アウト・シスターのシングル「ブレイクアウト」発売日(英国)
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80年代、UKソウルの隆盛の中で注目されたスウィング・アウト・シスター


80年代半ば以降、ニューウェイヴの狂騒も一段落し、イギリスからは所謂ブルー・アイド・ソウル的な音を鳴らすアーティストが数多く現れた。スタイル・カウンシルを筆頭に、ブロウ・モンキーズ、レベル42、キュリオシティ・キルド・ザ・キャット、スクリッティ・ポリッティなど枚挙に暇がないほどだ。

スウィング・アウト・シスターもこうしたグループのひとつとして注目された。これらのグループはUKソウルと呼ばれていたが、その出自は様々でスタイル・カウンシルやブロウ・モンキーズはパンク、レベル42はジャズ / フュージョンといった具合に表現の根源はバンドにより様々だった。

スウィング・アウト・シスターはア・サートゥン・レイシオ、ワルシャワの元メンバーといったマンチェスターのニューウェイヴ・シーンにいたミュージシャンにモデル出身の女性ボーカリストのコリーンが加わり結成されている。

スマートでキャッチーな音像を響かせたデビューアルバム「ベター・トゥ・トラベル」


ニューウェイヴ・シーンから出てきたことからも察しがつくとおり、スウィング・アウト・シスターの演奏能力はソウルミュージックを鳴らすのに充分なものではなかった。しかし、80年代半ばには打ち込みもシンセもあったことからテクノロジーが用意された。ちなみに「ブレイクアウト」収録のデビューアルバム『ベター・トゥ・トラベル』では正式メンバーのドラマー、マーティン・ジャクソンではなく、セッション・ミュージシャンがドラムを叩いており、マーティンはパーカッションとクレジットされている。

デビューアルバム『ベター・トゥ・トラベル』は、本場アメリカのソウルミュージックが本来持っている、汗臭さや心の奥底にある痛みを感じさせることなく、スマートでキャッチーな音像を響かせることに成功しており、また、そこが彼らの魅力となっている。



きっと、本人たちは確信犯でオシャレなUKソウルを最初から狙っていたわけではなく、本場のソウルミュージックに近づけようと頑張って作った結果だったのではないだろうか。そして、出来上がったデビューアルバムからは「私たちもやればできるじゃん? 捨てたもんじゃないよ!」という喜びが溢れている。このフレッシュな喜びこそが、デビュー間もない頃のスウィング・アウト・シスターの魅力だと私は感じる。

DJプレイでも重宝する「ブレイクアウト」


さて、個人的な話で恐縮だが、私は都内のDJバーやカフェでDJをさせてもらっているのだが、彼らの最初のヒット曲「ブレイクアウト」は、かなりの確立で盛り上がる鉄板ナンバーなのだ。特に曲の終盤に向けて演奏がブレイクして、ギターのカッティングとコリーンのボーカルだけが残る部分でフロアにハンドクラップを促すと得も言われぬ一体感が生まれる。

この盛り上がりは魂が揺さぶられるような熱い盛り上がりではなく、もっとポップでキャッチーにアガるのだ。スマートなのにエモい感じ!適度にチャラいのに何となくお洒落!この感覚って、音楽が鳴っているバーやカフェには相性バッチリだ。

ダンスミュージックとしての強度よりもお洒落でキャッチーなブルーアイド・ソウルの心地良い響きは、リリースから38年経った今でも新鮮でフロアを多幸感で包んでくれる。



より洗練されていくスウィング・アウト・シスター、来日公演も期待大!


スウィング・アウト・シスターは、セカンドアルバム以降、ドラマーの脱退によりコリーンとアンディのデュオになる。バッキングはサポートミュージシャンを導入し、打ち込みが減り、生演奏の割合が高くなっていく。音楽的方向性もバート・バカラックを彷彿とさせるスタンダードなポップミュージックやラウンジ・ミュージックを志向し、洗練度と完成度を増していく。

完成度が高くなったことと引き換えに、「ブレイクアウト」にあったワクワク感は減ってしまったが、それでも彼らのスムーズでゴージャスな音楽を聴いていると自分がお洒落になった気分を味わうことができ、何でもない日常をほんの少し素敵なものにしてくれる。そのさじ加減は絶妙でやりすぎない品の良さがあり、礼節を重んじる私たち日本人の感覚にフィットしている。デビューアルバムから37年が経過した現在も日本で根強い人気を誇っている理由はそんなところにあるのかもしれない。

根強い人気を背景にスウィング・アウト・シスターは2024年4月に来日し、東京、横浜、大阪のビルボードライブでライブを行う。食事やお酒を楽しみながらスウィング・アウト・シスターのライブなら、多幸感溢れる特別な日になることは間違いないだろう。

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2024.04.03
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カタリベ
1972年生まれ
岡田 ヒロシ
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