中学生だった1970年代後半、周りに持っている人が殆どいなくて何となくカッコ良いというだけで誰を目指す訳でもなくエレキギターを買った僕ですが、同時に買った教則本にKISSの「狂気の叫び(Shout it out loud)」のギター譜が載っていました。
KISSというバンドの名前とメンバーがメイクをしていることぐらいしか知らなかったのですが、変わったもの、他人が持っていないもの、というだけで興味を持つ性分なので早速シングル盤を買ってきて聴いてみたら、あまりのカッコ良さに理屈抜きで吹っ飛ばされた次第です。
その後『ダブル・プラチナム』なるLP2枚組ベスト盤を買い、友達とレコードの貸し借りをしながら一通り代表曲を覚えた頃にニューシングル「ラヴィン・ユー・ベイビー(I was made for lovin' you)」がリリースされました。
今までのストレートでシンプルなロックではなく流行りのディスコ調の曲でしたが、当時はKISSが全て! だったので、この曲はそのまま中学校の文化祭で僕のバンドのデビューライブのセットリストに追加されました(笑)。文化祭当日、スペシャルゲストとしてこの曲を歌ってくれたのは英語のS先生。その後、元教え子に新聞で取り上げられるなど、とても良い先生でした。
ちなみに僕が最初に聴いた「狂気の叫び」はスタジオ録音バージョンで、ボブ・エズリンというプロデュサーにより録音されていたせいでオーバー・プロデュースになっています。裏でオーケストラやピアノが鳴っていて、ライブでの演奏では再現が難しいのですが、辛うじて再現してるかもしれないのが、2003年のアルバム『KISS Symphony』でのライブバージョンです。
さて、あれこれ書いてきましたが、なんだかんだ言ってもロックも所詮はエンターテイメントビジネス、カッコ良くて楽しくて売れればいいじゃん、というかそもそもロックミュージシャンをアーティストと呼ぶのは僕には違和感があって、その意味ではエンターテイナーに徹したこのバンドにロックの自分なりの意味を見出したのかも知れません。
こんな助走を経て私的音楽黄金期である1980年代へ突入していくわけですが、違うようで似たようなギターリフとリズム、ライブごとに毎回同じギターソロ、演ってて飽きないのかな… と思いつつもカッコ良くて楽しい類いのロックが好きなので、その手のコラムが多くなるかも知れませんが「バカRock礼賛」てなところで御容赦ください。
2017.01.10
YouTube / Josh Bailey
YouTube / KISS Films
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