1980年、突如日本で巻き起こったザ・モンキーズ・リバイバルムーブメントを覚えているだろうか。
きっかけは、「デイドリーム・ビリーバー」が、コダックの CM に起用されたこと。プラス、時を同じくして TBS で『ザ・モンキーズ』の再放送が始まったことだった。
もうね、学校から帰って夕方観るモンキーズに JC 釘付けでしたよ。高橋元太郎氏他の吹き替えがチャーミングで。極彩色のカラフルな60’sカルチャーが新鮮で。たのきんトリオにハマれなかった私の、私だけのアイドル感も良かったし。キュートなデイビー、天然ボケのピーター、愛嬌たっぷりのミッキーもグーだったけど、マイチョイスはマイク。その飄々感と孤高感、帽子姿を愛してやまなかった。
さらに、このムーブメントを後押ししたのが、なぜか東京12チャンネル(現・テレビ東京)の朝の子供番組、『おはようスタジオ』だった。当時の司会は志賀正浩(愛称シガちゃん)。この番組がモンキーズの特集を組み続け、ついにデイビー・ジョーンズを来日させ、スタジオに呼んだのだった。スタジオ観覧希望のハガキが殺到したそうだ。
この時デイビーは35歳で、まだ可愛らしさの片鱗が残っていた。でも私は13歳だったし、平日だったし、マイクファンだったし、『おはスタ』は観に行けなかった。今も悔しい。あらゆるグッズや写真集ももちろん買った。通販で。授業中、ノートの端にフリーハンドでモンキーズのロゴを落書きしていたあの頃。
再放送が終了した時の私の取り乱し方は尋常ではなかった。わめき散らして、TBS に泣きながら抗議の電話をした。だって、ビデオすらまだ無く、カセットテープに番組を録音するしかなかった時代に、彼らの声や動く姿を拝まずに、これから生きていけるのか?! 家族に笑われながら「死ぬかも」と、本気で思い詰めていたのだ。ああ、あの情熱よ。もう一度!
あれから40年近く経った2016年、ビッグウェーブがやってきた。デビュー50周年を記念して、モンキーズが20年ぶりに新作をリリースするというのだ。6月の発売が待ち遠しくてソワソワ落ち着かなかった。
このアルバム『グッド・タイムズ!』がタイトルからしてイカしていて、本当に名作なのである。1968年のお蔵入り作品を、作家ニルソンとミッキーでヴァーチャル・デュエットしたタイトル曲をはじめ、アンディ・パートリッジ(XTC)による胸キュンポップ「ユー・ブリング・ザ・サマー」、デイビーのボーカルが嬉しいニール・ダイアモンド作の未発表曲「ラヴ・トゥ・ラヴ」など、全曲捨て曲なし! もちろんマイクやピーターのボーカルも聴けるし、新旧楽曲群が入り混じったカラフルでご機嫌の一枚! 何回聴いても幸せ!
アルバムリリースに伴って行われた50周年全米ツアーは、ミッキーとピーター中心だったようだけど、カリフォルニア公演では、マイクがアンコール参加というニュースも入ってきて胸が躍ったのを覚えている。
そして2018年、モンキーズは止まらない。なんと10月にクリスマスアルバム『Christmas Party』を発表! 制作は『グッド・タイムズ!』とほぼ同メンツらしく、今作でもデイビーのボーカルが聴けそうだ。
60年代最も世界で愛されたボーイズグループと称されるモンキーズ。
中学生だった私の、私だけのアイドルは、変わらず心をどんどんときめかせてくれる。
できるならば3人の元気な姿を日本でも見たい。きっと天国のデイビーも、また日本に行きたかったって言ってるはずだ。
ヘイ! ヘイ! ウィ・アー・ザ・モンキーズ・ファン! ずっと愛してる!
※2016年3月11日に掲載された記事をアップデート
2018.10.25
YouTube / The Monkees
YouTube / The Monkees
Apple Music
Information