AKB48 の選抜総選挙は指原莉乃の連覇が続いているが、いつの時代もアイドルが人気投票の対象になるのは世の常である。
1980年の春、高1のクラスの野郎どもの間では、デビューしたばかりの二人の新人女性アイドルの話題で持ちきりだった。
一人はもちろん、4月に「裸足の季節」で鮮烈なデビューを飾った “松田聖子”。今も現役バリバリ、稀代の大歌手、永遠のアイドルである。
そしてもう一人、聖子チャンに先行すること約1か月、2月末に「赤と黒」でデビューした “岩崎良美”。既に人気歌手だった岩崎宏美の実の妹として、鳴り物入りでのデビューだったと記憶している。
愛らしくて初々しい正統派アイドルの聖子チャンと、姉を彷彿とさせる歌唱力と大人っぽさを漂わせる良美チャン。やがて、どっちがいいかについてそれぞれが持論を展開し、クラスを二分する騒ぎになっていった。
そして夏のある日(7/3らしい)TBS「ザ・ベストテン」でチャートイン間近の曲を紹介するスポットライトのコーナーに二人が揃って初登場を果たすと、その翌日、クラスの議論はピークに達し、無関心層を巻き込んでの決選投票へとなだれ込んだ。
果たしてその結果は、というと… 5票差をつけて聖子チャン派に軍配が! 良美チャン支持に回った我々は、聖子チャン派に500ml.のコーラを奢って、この争いに決着をつけた。
苦杯をなめた我々、良美チャン派の夏は、この名曲「涼風」と共にあった。何といっても、良美チャンにはデビュー曲からコンポーザーとして芳野藤丸がついており、彼女の歌唱力も相まって、楽曲の良さを際立たせていた。
この曲は資生堂シャワーコロンのCMにも使われ、良美チャンの「首から下にたーっぷり付けちゃう!」というセリフと共に我々の記憶にしっかりと刻み込まれていたのだ。
ところで、私的にはたとえアイドルであっても “歌のうまい歌手” が好きである。懲りない我々はこの2年後、再び「中森明菜 VS 小泉今日子」で同じことを繰り返す。
その時、もちろん明菜チャン支持で受けて立ったのは言うまでもない。
2016.07.10
YouTube / tsuru20101
YouTube / makotosuzuki
Information