レコード大賞とかオリコン1位とか、そんな華やかな冠(というほどでもないけど)はスターダストレビューにはない。でも、2013年にライブ本数が2,000回を越え、おそらく今では3,000回にも届くほど、その本数は日々カウントアップ中という快挙はもっと知られてもいいのではないだろうか。だからぼくはこっそり、彼らのことを奇蹟のライブキングと呼ぶことにしている。
もちろんそんな彼らにも、何度かブレイクのきざしはあった。デビュー曲(シュガーはお年頃)がシチズンのコマーシャル!という恵まれたスタートでダッシュをキメられなかったことは、もうこの際おいておこう。
デビューして2年目に、ブレイクチャンスは訪れる。根本自身が松田聖子をイメージして書いたと語ったこともある、極上のポップチューン「トワイライト・アヴェニュー」がリリースされることになったのだ。
この曲は「シルエット」という旧題でライブ演奏していた頃からファンの評判も高く、作詞家(竜真知子さん)に詞を依頼して、リリース時(83年10月)における関係者のヒットへの期待は相当高かったんじゃないだろうか。というと他人事のようだが、音楽誌編集者という立場を置いて、単純にスタレビファンだったぼくも、もちろん心からヒットを祈った。
でも、チャートは伸びず終い……
どうしてだろう??? 音楽はそもそも個人的な好みだからこんなこと言うのもなんだが、けっこうお粗末と思える曲がいきなりヒットして「マジで?」と困惑してしまうケースも多くあるなか、神様がスタレビに試練を与えるべくわざと彼らの名曲をヒットから遠ざけているような気さえした。
とはいえ、ファンにとってはこの曲は押しも押されもしない名曲。ライブでも長年演奏され続けている、彼らのスタンダード・ナンバーと言ってもいい曲なのである。
(vol.3に続く)
2016.09.01
YouTube / STARDUSTREVUEch
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