TOKYO DOME CITY HALLは超満員! 幅広い客層に愛される田原俊彦
「TOSHIHIKO TAHARA DOUBLE ‘T’ TOUR 2023 DANDYLION」、田原俊彦の東京公演が閉館した中野サンプラザに変わり、TOKYO DOME CITY HALLで9月29日に開催された。
キャパ2,500人の会場は、一席も空席がない超満員、40〜50代の女性を中心に、親子連れや若い人も目立ち、さらに男性客が多いのにも驚いた。幅広い客層に愛されていることが本当に一目瞭然だった。
1980年にデビューして43年。80年代から今日までトップに君臨し続けるスーパースター。かつて私が担当したTBSの音楽番組『ザ・ベストテン』でも80年代の10年間、最も番組に貢献してくれた。歌手別ランクイン総週数では247週もランクインし、12年間のすべての歌手の中で第1位。1位を獲得したのも10曲で歴代5位と記録ずくめ。そんな大スターだが、偉ぶりもせず、ペーペーのディレクターだった私にもいつも気軽に声をかけてくれるナイスガイだった。
そんなトシちゃんのコンサート。ステージは2階建ての階段と鉄骨でできた大人のセット。4年ぶりに声出しOKの完全ライブだ。
女性ダンサー2人と大人の夜の世界を作り出す「ダンディライオン」
オープニング、トシちゃんはシルエットで登場。1曲目のアルバム曲「ようこそロマンスへ」から歌も踊りも全開。キラキラ光る黒のスーツ姿がカッコいい。2曲目は今年リリースした最新の曲「ダンディライオン」。女性ダンサー2人と大人の夜の世界を作り出す。
そして、代表曲「ごめんよ涙」とたたみかける。それにしても昔よりもくるくる回り、足が頭の上まで上がるのにはビックリ。この後、ファンからのアンケートをふまえたシングルB面曲が続くが、クオリティの高いパフォーマンスで、渋めの選曲ながら全く飽きさせない。
写真:西村彩子
続いて白地に黒のロングコートで初期の大ヒットメドレー。デビュー曲の「哀愁でいと」から超盛り上がりの「原宿キッス」まで。さすがのトシちゃんも終わった後「死にそう」と全力を出し切ったようだった。しかし、続く「ジャングルJungle」では、ファンクビートのサウンドに乗せてキレッキレッに踊りまくり最高の盛り上がり。
大人のエンターテイナー田原俊彦の真骨頂「ロマンティストでいいじゃない」
後半は、哀愁あるミディアムバラードから。ブラスロック風サウンド、情熱のフラメンコ、明るくハッピーなナンバーと、途中ピンクのスーツに着替えて様々な顔を見せてくれる。そして大ヒット「抱きしめてTONIGHT」では、観客の動画撮影もOKという大サービス。その後のMCでは、ギャグも入れつつ45周年の感謝、50周年への意気込みも語った。50周年、60代後半のトシちゃんのステージもぜひ見てみたいものだ。
そして星空の下、しっとりとバラードを歌いあげ、ラストはJAZZYなNY風ミュージカルテイストの「ロマンティストでいいじゃない」。大人のエンターテイナー田原俊彦の真骨頂である。
アンコールは、セグウェイに乗って登場。B面曲「夏の花嫁」で、紙吹雪が舞い、まるでお祭りのように大盛り上がりの中、大フィナーレ。本当に楽しくあっという間の2時間余だった。
写真:西村彩子
2時間全開のダンス、一切手を抜かない圧巻のプロフェッショナルのステージ
コンサート終了後、楽屋に挨拶に行った。さすがにトシちゃん、ぐったり休んでると思いきや、ガウン姿でニコニコ笑いながら私たちの前に現れた。一人一人に挨拶するなんて、もはや超人だね。私の前でも久々に会ったトシちゃん、
「えっ、薫さん? 年取ったから分かんないや」
といつものトシちゃん節。そのサービス精神、周りを明るくするオーラ、最後まで最高のプロフェッショナルだった。
62歳になっても変わらぬトシちゃん、いや、それどころか、若い頃よりキレッキレッでさらにパワーアップしている。さらに歌もダンスも年輪を重ね、大人のエンターテイナーとして進化し続けている。
彼の歌は、派手なダンスナンバーでもどこか哀愁やさみしさや哀しみ、人間的な暖かさがあり、それがファンの心を揺さぶるのだろう。今回は様々なタイプの曲を歌って、「歌手・田原俊彦」の魅力を最大限見せてくれた。
昔の大ヒット曲も、カップリングの曲も、最近の曲も皆魅力的で大いに楽しませてもらった。そして2時間全開のダンス、一切手を抜かない圧巻のプロフェッショナルのステージで、私たちに大きな元気を与えてくれた。明日からも頑張ろうという大きな活力になった。
写真:西村彩子
ありがとうトシちゃん、50周年も60周年も楽しみにしているよ。
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2023.10.13