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素直なロックでいいじゃない、REOスピードワゴン「涙のフィーリング」
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REOスピードワゴンのシングル「涙のフィーリング」が日本でリリースされた日
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REOスピードワゴンの「涙のフィーリング(Can't Fight This Feeling)」は、僕が好きな80年代のヒット曲のひとつだ。産業ロックと揶揄されたりもするが、それがどうしたと言いたい。

当時よく聴いていたラジオ番組『アメリカン・トップ40』で、僕はこの曲を知った。まず変わったグループ名だなと思った。それから、「イントロのピアノを弾けるようになりたくて練習してます」というリスナーからのハガキが読まれたのを覚えている。

この番組では、ナンバーワンになると曲がフルコーラスでかかり、その後で訳詞が紹介される。「涙のフィーリング」は、友人である女性を好きになってしまった男の心情を綴った曲だった。その中にこんなフレーズがあった。


 冷たく暗い冬の夜
 あなたは窓辺にともるロウソクの光


情景が浮かんできて、きれいだなと思った。つまり、男にとって彼女は「道しるべ」なのだ。その灯りを見失わなければ、道を踏み外さないで済む。そのことに気づいたから、男はもう「この気持ちとは戦えない」と悟ったのだろう。美しいメロディーと相まって、このシンプルなフレーズが胸に沁みた。

それからしばらくして、REOスピードワゴンが1971年にデビューしたベテランバンドだと知った(結成は1968年)。年間300本以上のライヴをやりつづけ、苦労に苦労を重ねた末、1980年にシングル「キープ・オン・ラヴィング・ユー」とアルバム『禁じられた夜(Hi Infidelity)』が突如大ヒット。ようやく苦労が報われたというのに、産業ロックと揶揄されたのだから、なんとも不憫である。

「涙のフィーリング」は、そんな彼らの2枚目となる全米ナンバーワンヒットだった。「どうだ! まいったか!」と胸を張ってもいいところだが、「これでもう一発屋とは言われないかな」という微妙な喜び方に、拭い去れない苦労人気質が感じられた。しかも、この発言をしたのがヴォーカルのケヴィン・クローニン(苦労人)とは、よくできた話である。なんであれ、ヒットして本当によかったと思う。

2017年、REOスピードワゴンはライヴを中心に今も活動をつづけている。正確には1991年に1度解散を発表したのだが、わずか1年で再結成している。「一体なんのための解散だったんだ?」と言いたくもなるが、彼らにとっては、物事があまりスムーズに運ばないくらいがちょうどいいのかもしれない。

なにより、大人になってみて思うのは、こういう素直なロックがあってもいいじゃないかということだ。今聴いても「涙のフィーリング」はいい曲だと思う。「イントロのピアノを弾けるようになりたくて練習した」という、あのリスナーのエピソードも気に入っている。同じような人はきっと世界中にいるに違いない。

2017.09.10
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  YouTube / RSpwagonVEVO
 

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カタリベ
1970年生まれ
宮井章裕
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