1985年に公開された映画『グーニーズ』、ガールフレンドと見に行ったことは覚えているが、内容はほとんど記憶にない。思い出すのは財宝をめぐるアドベンチャームービーだったという程度で、ネットで改めて内容を確かめてみても、スパッと記憶が戻ってこない。これが老化でなければ、おそらくそんなに見たい映画ではなかったんだろう。 当時、海に行ったり、スキーに行ったり、遊園地に行ったり、公園を散歩してみたりというアウトドアなデートが面倒だったぼくは、“ただ椅子に腰かけているだけでそれなりに楽しい時間を過ごせる” という理由で彼女を映画に誘うことが多く、そのときもとりあえず話題の作品を選んで、ポップコーンでも食べながらただただ彼女のそばにいたかっただけなのかもしれない。 さて、映画のことはさほど覚えていないのだが、シンディ・ローパーが歌ったこの映画のテーマ曲はとても記憶に残ってる。「グーニーズはグッドイナフ(The Goonies 'R' Good Enough)」。前年にヒットした「タイム・アフター・タイム」で聴いたシンディの歌声に心をざわめかせたぼくは、この主題歌でさらに彼女のとりこになってしまった。 なんというか、アルデンテのパスタみたいなボーカルだった。芯はしっかりしてるけど、硬いわけじゃない。特にサビでくねくね絡みついてくるキュートな高音のボーカルに、心臓がドクンと動いた。その歌声は、ぼくをギュッと抱きしめて濃厚なキスマークを残していくようでもあった。 しばらくすればキスマークは消えるけど、キスマークをつけられた濃密な時間は記憶に残ってしまうのだ。
2016.05.08
VIDEO
YouTube / hedyfrancis
VIDEO
YouTube / CyndiLauperVEVO
Information