1992年 2月22日

回想ライブレビュー:ガンズ・アンド・ローゼズ、熱病のようなあの興奮

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ガンズ・アンド・ローゼズ2度目の来日公演が東京ドームで行われた日
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photo:Down In The Groove  

几帳面に手元に残しておいた20数年前のチケット半券から思い出を手繰る、回想ライブレビュー。それは真実なのか記憶違いなのか妄想なのか、人の記憶なんてものは曖昧なものだけど、あのとき感じた熱気みたいなものは今でも残っています。

僕らの世代にとってガンズ&ローゼズは特別なバンドでした。特に『アペタイト・フォー・ディストラクション』から『ユーズ・ユア・イリュージョン Ⅰ&Ⅱ』あたりの全能感、それはもう凄くて、アクセルの真似してバンダナ巻く奴とかウェスタンブーツ履く奴、ギター演っている奴はスラッシュ派かイジー派かみたいな話を熱っぽく語ったり。僕らの世代であれ程の存在感があったロックバンドはいませんでした。

そのガンズの来日公演、会場は東京ドームで多分ソールドアウト。当時のガンズは悪名高く、ライブのキャンセルや遅延はいつものことで「どこどこのライブは開演が3時間おしたらしい」「どこどこは中止になったらしい」「ホテルの窓からテレビを投げ捨てたらしい」「警察に捕まったらしい」なんて話を仲間たちとしながら、あのガンズがもうすぐ観れるんだ! みたいな興奮にだいぶ前からうなされていました。自分たちが行く日は大丈夫か、そもそもちゃんと日本にくるのか、なんて。

ライブは定刻より30分おしくらいで始まったと思います。席は2階。豆粒のように小さいアクセルとスラッシュとダフとマット・ソーラムを目を凝らして、2時間半くらい(だったと思う)。「パラダイス・シティ」とか 「イッツ・ソー・ イージー」とか「ノーヴェンバー・レイン」とか演ったんでしょうね。「死ぬのは奴らだ(Live and Let Die)」を演ったのは覚えています。火柱が上がっていました。あれ? それはこの間のポール・マッカートニーだったかな?

アンコール前に「ガンズ、アンド、ローゼズ!」ってコールしたんですよ。「ゲット・イン・ザ・リング」のイントロみたいに。これが一番はっきり覚えてます。

その後、ガンズは出る出ると言われていたアルバム『チャイニーズ・デモクラシー』がいっこうに出ず、メンバーは次々脱退。いつの間にか僕らの話題の中から消えていきました。

10年後、社会人になり、音楽業界の端っこで働いていた僕は、サマソニで久々にガンズを観ました。熱病のようなあの興奮はなかったし、隣にいた音楽仲間もいなかったけれど、自分がいまここにいるのは、きっとガンズに夢中になったあの頃があったからで、それは確実に今と地続きなんだと、勝手に納得しながら「パラダイス・シティ」を10年ぶりに口ずさみました。10年経ってもあの頃に何度も口ずさんだ歌詞は忘れないものなんですね。

2016.01.21
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カタリベ
1974年生まれ
浅井克俊
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