1992年 2月21日

100歳の双子アイドル《きんさんぎんさん》人生100年時代の今こそ見習うべきこと

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きんちゃん、ぎんちゃん&セタガヤン・プチットのシングル「きんちゃんとぎんちゃん」がリリースされた日
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photo:DUSKIN CO., LTD.  

100歳でテレビやCMに引っ張りだこ。日本最高齢レコードデビューも​​


双子の有名人は数多くいるが、この二人ほど注目された双子はいないのでは。1990年代、国民的アイドルともいえるくらい人気者だったのが、長寿の双子姉妹きんさんぎんさんだ。

91年、数え年100歳でダスキンや通販生活のCMに出演し、全国的に有名になった成田きんさんと蟹江ぎんさん。テレビ番組に引っ張りだことなり、92年2月にはシングル曲「きんちゃんとぎんちゃん」をリリース。日本最高齢レコードデビューの記録を更新している。

あそこまで人気が出たのは、双子で長寿だったからだけではないだろう。お二人の魅力や人柄も大きかったと思う。きんさんもぎんさんも、とてもかわいいおばあちゃんだった。お二人が横断歩道を渡ろうとしていたら、その前に跪いて、おんぶしたくなるのは私だけではなかったはず。

名前もいい。きんとぎん、これ以上ないほどキャッチーだ。おめでたくて、華やかで、なんといっても覚えやすい。二人のユニット感も表れている。これに並ぶ名前は、つるさんかめさんくらいか。いや、きんさんぎんさんにはかなわないだろう。



きんさんぎんさん、所属は「オフィスシルバー&ゴールド」?​​


実は二度ほど、お二人にインタビューしたことがある。当時勤務していた編集プロダクションで、長寿の有名人に元気の秘訣を聞く、健康情報誌の連載を担当していたからだ。

当時は、有名人にインタビューを申し込むとき、芸能人なら『日本タレント名鑑』で所属事務所を調べて連絡するのだが、きんさんぎんさんはタレントではない。さて、どうしよう。

「あれだけの人気者だもん。税金対策で、『オフィスシルバー&ゴールド』なんて、立ち上げてんじゃない?」

同僚とそんな話をしたのを覚えている。

思いついたのが、年がら年中お二人を取材しているテレビのワイドショー番組。某民放テレビ局に電話し、ワイドショーの担当者につないでもらったところ、あっさりと連絡先を教えてくれた。もちろん「オフィスシルバー&ゴールド」ではなく、名古屋の成田家・蟹江家の電話番号と住所だ。そう、個人情報保護法が施行される前は、こんなことは当たり前だった。二軒のお宅に連絡すると、ご家族が電話に出てすんなりとインタビューの快諾をいただいた。

メディア出演は本人たちの意志。そこにあったのは “理想的な老後”​​


当日は、カメラマンと共に名古屋まで行き、両家を訪問。30年以上前のことなので記憶がおぼろげなのだが、蟹江家・成田家共に日本庭園のある立派なお宅だったことはよく覚えている。また、お二人が想像以上に小柄だったことも。記念に、一緒に写真を撮らせてもらったのだが、170cm越えの私との大きさの差といったら。

二度目に伺ったときは、お二人一緒にインタビューした。ボケのきんさんに対して、ツッコミのぎんさんという感じで、さすがのコンビバランス。特にぎんさんは、ウィットをきかせた答えをたびたび聞かせてくれて、100歳越えの人とは思えない頭の回転の速さを感じた。

それにしても今思えば、多くの人に愛され、立派なお家に住み、あちこちに呼ばれ、なんと理想的な老後だったことか。「100歳を超える高齢者を引っ張り回すのはいかがなものか」という否定的な声もあったらしいが、さまざまなメディア出演は本人たちの意志だったという。そういえば、インタビューのときお二人とも「ぎょうさんの人に会えて、いろんなところに行かれたのがどえりゃーうれしい。本当にありがてぇ」と何度も口にしていたっけ。

さて、立派な中高年となったリマインダー世代の私たちだが、さすがに100歳になるのはまだまだ先。“人生100年時代” なんて言われて久しいが、実際100年生きるとなると、健康もお金もなかなか厳しいものがある。とりあえずきんさんぎんさんを見習い、足腰を鍛えつつ、知的好奇心も高めなきゃね、なんて思うのだ。

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2023.03.28
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カタリベ
1967年生まれ
平マリアンヌ
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