12月14日

2026年を感じながら聴く【1980年代ロック名盤ベスト10】懐かしむより、超えていけ!

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ザ・クラッシュのサードアルバム「ロンドン・コーリング」発売日(イギリス)
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Re:minder年始の恒例となったロック名盤ベストテン企画。2026年は年明け早々、アメリカのベネズエラ攻撃という心穏やかではいられないニュースが入ってきた。争いと分断は続き、インターネットの中は喧喧囂囂となっている。こんな時こそ、誰もが今よりもっと世の中が良くなると信じて疑わなかった1980年代のロックを聴き、そこから生きるヒントを見つけていこうじゃないか。というわけで、【1980年代ロック名盤ベスト10】を選出してみた。

80年代ロックの王道ともいえる名作アルバムが続々とランクイン


第10位:ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース『スポーツ』(1983年)
叩き上げの実力を持つアメリカ西海岸のバー・バンド、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースが1983年にリリースしたサードアルバム『スポーツ』。翌1984年のビルボード年間チャートでは2位を記録。無骨でストレートなロックンロールは、とにかくポジティブ。オープニングの「ハート・オブ・ロックン・ロール」でヒューイ・ルイスは “ロックンロールのハートは今も生きている” とシャウトする。どこまでも愚直に、どこまでも真っ直ぐに突き進むパワーがこのアルバムには漲っている。



第9位:ヴァン・ヘイレン『1984』(1984年)
1978年の「ユー・リアリー・ガット・ミー」、1982年の「オー・プリティ・ウーマン」と、ときには先人たちのロックンロールをリメイクして、新たなハードロックの道標を作ったヴァン・ヘイレン。彼らが1984年にリリースした大ヒットアルバムが『1984』。壮大なインストゥルメンタルからエディ・ヴァン・ヘイレンの奏でるシンセサイザーのリフが鮮やかな「ジャンプ」へと続く流れは、一点の曇りもない未来を思わせる。当時の新宿、渋谷のディスコで最高のキラーチューンが、この「ジャンプ」だった。



第8位:UB40『レイバー・オブ・ラヴ』(1983年)
イギリスの失業者給付金の申請書様式名(Unemployment Benefit, Form 40 / 失業給付40号様式) からバンド名を拝借し、UB40としたUKレゲエバンド。彼らがその名を世界に知らしめた4枚目のアルバムがこの「レイバー・オブ・ラヴ」だ。社会の抑圧から生まれたレゲエソングを、都会の洒脱な清涼剤として機能させた趣も感じられる本作だが、珠玉のカバーアルバムとしても知られている。ザ・ローリング・ストーンズもカバーした「チェリー・オー・ベイビー」(エリック・ドナルドソン)をオープニングに名曲がズラリ。去年残念ながら他界したジミー・クリフのカバー「メニー・リヴァース・トゥ・クロス」、UB40最大のヒットである「レッド・レッド・ワイン」(ニール・ダイアモンド)など、都会的で洗練されたサウンドの裏側には、レベル・ミュージックであるレゲエ本来の強い意志が潜んでいる。



第7位:Run-D.M.C.『レイジング・ヘル』(1986年)
ヒップホップカルチャーを日本に知らしめた傑作アルバムといえば、Run-D.M.C.が1986年にリリースした『レイジング・ヘル』だろう。アディダスシューズへの賛辞を歌にした「マイ・アディダス」により、彼らが履いていた “スーパースター” は後にヒップホップのアイコンとなる。そして、本家エアロスミスからスティーヴン・タイラーとジョー・ペリーがレコーディングに参加した「ウォーク・ディス・ウェイ」はヒップホップとロックの融合により、新たな時代の幕開けとなった。何よりスティーヴン・タイラーがマイクスタンドで壁をぶち破り、ステージでエアロスミスとRun-D.M.C.がジョイントするミュージックビデオは痛快だ。まさに分断の時代と囁かれるこの時代にこそ聴いて欲しい。



第6位:マイケル・ジャクソン『スリラー』(1982年)
言わずと知れたポップミュージックの金字塔。ポール・マッカートニーと共演した「ガール・イズ・マイン」、エディ・ヴァン・ヘイレンのギターソロが高らかに鳴り響く「今夜はビート・イット」、さらに音楽と映像の融合を確実なものとした「スリラー」などなど。人種、メディア、ジャンルの壁を取り払ったマイケル・ジャクソンの主張は限りなくピースフルだった。リリースから44年を数える今もその革新性を超えるアルバムは存在しないだろう。ただ、そんなことを考えなくても、このアルバムは限りなくポップで楽しさに満ち溢れている。理屈抜きで音楽の素晴らしさを感じさせてくれる歴史的名盤だ。



第5位:ジョン・レノン&オノ・ヨーコ『ダブル・ファンタジー』(1980年)
1985年11月15日リリース。ジョン・レノンが凶弾に倒れる約1ヶ月前にリリースされた生前最後のアルバムだ。1曲目に収録されているのが「スターティング・オーヴァー」。つまりは “再出発” と題されたジョンの決意が強く溢れるロックンロール・ナンバーだった。創作活動への回帰に意欲的だったジョン・レノンの決意は無念にも消えてしまったが、この「スターティング・オーヴァー」という曲は今でも多くの人を奮い立たせている。



第4位:ユーリズミックス『ビー・ユアセルフ・トゥナイト』(1985年)
アニー・レノックスとデイヴ・スチュワートの2人組によるユニット、ユーリズミックスは1981年にデビューし、数々のヒットを放つ。ソウルミュージックとエレクトロニクスの融合がその持ち味であるが、このアルバムではソウル色を一気に強めている。シングルヒットとなった「ゼア・マスト・ビー・アン・エンジェル (プレイング・ウィズ・マイ・ハート)」の高揚感は今も色褪せず。昨年(2025年)はガザ停戦を目的としたチャリティーコンサート『トゥゲザー・フォー・パレスチナ』に参加したアニー・レノックス。そこで歌われた自身のヒット曲「ホワイ」の力強くも優しさ溢れるピアノの弾き語りも必見だ。



​​2位にランクインしたスタイル・カウンシルはオシャレの代名詞か?


第3位:ラモーンズ『エンド・オブ・ザ・センチュリー』(1980年)
ニューヨークパンクのオリジネーターであるラモーンズが1980年代の幕開けに放ったアルバム『エンド・オブ・センチュリー』。プロデュースは、ウオール・オブ・サウンドと呼ばれる手法で1960年代の音楽シーンに大きな足跡を残したフィル・スペクター。ファンに人気の高い「思い出のロックンロール・ラジオ」(Do You Remember Rock'n Roll Radio?)ではジェリー・リー・ルイス、ジョン・レノン、T.Rexなどの名を挙げながら新たな時代の幕開けを宣言している。ノスタルジーは決して悪いものではないが、そこに寄りかかるのではなく、思い出を糧に一歩前に突き進む勇気をこの曲が教えてくれている。



第2位:スタイル・カウンシル『アワ・フェイバリット・ショップ』(1985年)
1980年代にオシャレの代名詞だったスタイル・カウンシルが1985年にリリースしたセカンドアルバム。ソウルミュージックを軸としながらジャズやワールドミュージック的な解釈も施されたサウンドは洒脱だ。しかしポール・ウェラーのアティテュードは、1970年代後半に若者をアジテートしたパンクバンド、ザ・ジャムの時代から何ら変わっていなかった。ベルリンの壁崩壊を予言したといわれる「タンブリング・ダウン」(Walls Come Tumbling Down!)の中でポール・ウェラーは “一致団結すれば世界を変えることだってできる” と高らかに宣言する。クールでスマートなビジュアルに潜む熱き炎こそがスタイル・カウンシルの本懐だ。



第1位:ザ・クラッシュ『ロンドン・コーリング』(1980年)
1989年、米ローリングストーン誌が選出した『THE 100 Greatest Album Of The 80’』(80年代の最も偉大なアルバム100選)において堂々の1位に輝いたザ・クラッシュのサードアルバム『ロンドン・コーリング』。彼らが1979年のアメリカツアーから大きなインスピレーションを得て2枚組のアルバムに詰め込んだ全19曲。そこにはロンドンの片隅で生まれたパンクバンドという出自も大きな意味があった。

表題曲「ロンドン・コーリング」では “ロンドンから遠くの街へ 今宣戦布告された” と世界を相手に自分たちの音楽を解き放つ決意表明を放つ。アルバムを通し、スカ、レゲエ、ジャズ、ロカビリーなど、多種多様な音楽が大胆に取り入れられ、ジャンルミキシングの開祖としても高く評価されている。柔軟な音楽の取り入れ方と社会情勢に切り込んだ鋭い視点のリリックも相まって、フロントマンのジョー・ストラマーがいうところの “パンク・イズ・アティテュード” を見事に具現化している。



以上10選は、2026年、今の状況をしっかりと見据え、ポジティブに新たな年を切り拓いていこうという思いでセレクトした。誰もが今よりもっと世の中が良くなると信じて疑わなかった1980年代のロックには、そんな生きるパワーを随所に感じる作品が多い。今もロック史に燦然と輝くアルバムを聴き、明日への活力にしてもらえれば幸いだ。

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2026.01.09
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