2016年4月2日、角川シネマ新宿で久しぶりに薬師丸ひろ子主演の「セーラー服と機関銃」がスクリーンにかかった。2週間限定1日1回のみ(17:05~)の興業である。この作品を劇場で観るのは実に30数年ぶりのこと。やはりテレビ画面ではなく銀幕の中にいる彼女は特別だった。そして、今回もまた一瞬で彼女に心を奪われた。
吸い込まれるような美しい瞳が逆さまに映し出され、セーラー服を着たままブリッジをするボーイッシュな女子高生が「カスバの女」を歌っている。彼女はフィルムに焼き付けられた永遠の時間の中で色褪せずに待っていてくれた。その輝くような姿は今見ても尚、現代のアイドルたちからは感じられない気品と存在感がある。
若き日の渡瀬恒彦、風祭ゆき、柄本明、そして名優・三國連太郎。ギラギラとまるで命を削るような演技を見せる共演者たちに混じっても彼女の魅力は全く打ち消されることなくより輝いて見える。
彼女が演じるのは、遠縁にあたるヤクザの組長の遺言で組を継ぐことになった女子高生、星泉。今まで薬師丸さんを含め、原田知世さん(1982年)、長澤まさみさん(2006年)、橋本環奈さん(2016年)の4人が演じてきた。
主演女優がそれぞれ主題歌を歌っているが、聴き比べてみるとなかなか面白かったので紹介しておきたい。楽曲は角川娘の姉妹曲「セーラー服と機関銃」(1981年)と「悲しいくらいほんとの話」(1982年)。
チェックポイントは作品の統一感を出すために楽曲のイントロをわざと似せて作っているという点。そして、もう一つ。少女の強さを感じさせる前者と繊細な乙女心を歌う後者。共に来生えつこ・たかお姉弟の作品なのだが、曲を歌う薬師丸・原田それぞれのイメージに合わせているところを是非感じてみて欲しい。
そして、最後に一言。
皆さんは誰が演じる星泉が好きですか? 私はもちろん…(笑)
セーラー服と機関銃 / 薬師丸ひろ子
作詞:来生えつこ
作曲:来生たかお
編曲:星勝
発売: 1981年(昭和56年)11月21日
悲しいくらいほんとの話 / 原田知世
作詞:来生えつこ
作曲:来生たかお
編曲:星勝
発売:1982年(昭和57年)7月5日
2016.04.18
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