『ロング・ラン』はセールス的には成功する。「ハートエイク・トゥナイト」「ロング・ラン」「言いだせなくて(I Can't Tell You Why)」の3枚のシングルヒットを飛ばし、ビルボードチャートでも1位に輝いた。しかし、メディアからは酷評される。テーマやアイデアに欠け、弱めの曲を過剰に装飾し、取り繕おうとしている作品に過ぎないと。このメディアの評価もメンバー間の亀裂が深まった原因となり、ロング・ラン・ワールド・ツアー終了後に彼らは活動を中止する。
僕は、音楽評論家でもないし、音楽業界にいたわけでもないので、そのアルバムに対して正しい評価をすることは出来ないけど、この『ロング・ラン』というアルバムはとても好きだ。結果的に解散の引き鉄になった運命のアルバム。だからこそ愛おしいと僕は思うんだ。英語タイトルの『THE LONG RUN』は歌詞の中ではIn the long runなので「長い目で見れば、結局は、最後には」という意味になります。ジャケットの墓標のようなデザインといい、タイトルといい、なんと最後のアルバムに相応しいことか。皆さんもそう思いませんか? 2017.02.26