5月26日

ヨーロッパの「ファイナル・カウントダウン」平成最後にやっぱり聴きたい!

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ヨーロッパのアルバム「ファイナル・カウントダウン」が全米でリリースされた日
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photo:SonyMusic  

平成の終わりが近づいてきた。

あと何日と心の準備ができる点では、20世紀末に抱いたあの感覚に近い。こうした時代の大きな節目の瞬間に、もし音楽を聴くとすれば、皆さんなら何を選ぶだろうか。

僕が平成の最後に選ぶ1曲は、本日2019年2月23日に55歳のバースデーを迎えたギタリスト、ジョン・ノーラムが活躍したバンド、ヨーロッパの「ファイナル・カウントダウン」だ。80年代の HM/HR 好きなら、きっと同じような想いの方もいるに違いない。

この曲のイントロが与えるインパクトは、数多の80年代の HM/HR 楽曲の中でも群を抜いている。ヴァン・ヘイレンの「ジャンプ」と共に、誰もが口ずさめる最強シンセイントロのひとつだ。

曲が流れてきた瞬間に僕が受ける感覚は、どことなくあの「蛍の光」に近い。シンセの旋律にシンクロするロケット打ち上げ “カウントダウン” の音声も相まって、ああいよいよ終わりの時がきた! という気持ちがグッとこみあげてくる。

「ファイナル・カウントダウン」は同名の収録アルバムにおいて、実際にはラストではなく1曲目に収録されている。ライヴでも映える荘厳なオープニングナンバーとして作られたのだが、これ以上ない「締めの定番」になっていったのは面白い。

83年にデビューしたヨーロッパは、「北欧メタル」というカテゴリーを浸透させた先駆者である。今でこそ北欧の文化、音楽等についての情報は日本に様々な形で入り、インターネットを通じて瞬時に何でも得られるようになった。しかし、当時北欧といえば、一般的に音楽ではアバ(ABBA)を知るくらいで、ヴァイキングの国、凍えるように寒くて遙かに遠い地。そんな未知のイメージもまだ強かった。

HM/HR シーンにおいても、今では数多のバンドが北欧諸国から次々に登場し、リアルタイムで日本に紹介される。しかし当時は北欧のメタルシーンやバンドの実体を掴むのは容易ではなかった。そんな中で若くてルックスが良くアイドル性すら持ったヨーロッパの登場は、北欧のシーンを身近にする大きなきっかけとなった。彼らの存在そのものが僕らの認識を一気に広げたのである。

「北欧メタル」という言葉が最初に使われたのはミュージックライフ誌での伊藤政則さんによる特集記事が最初だったと思う。僕もその記事とラジオ番組でヨーロッパを知って、『幻想交響詩(Europe)』と題されたデビューアルバムを発売日に手に入れた。そう、スウェーデン発のヨーロッパを世界のどこよりも早く受け入れたのは日本のマーケットだったのだ。

ジョーイ・テンペストの甘いルックスとヴォーカル、そしてマイケル・シェンカーやゲイリー・ムーア直系のジョン・ノーラムの泣きまくりギター。日本のマーケットとの親和性を考えると、このコンビネーションは完璧だった。

そして何より、遙かな北欧の地を想起させる透明感と美旋律を存分に染みこませた真新しい HM/HR が、日本人の心の琴線に触れた点は大きい。もの悲しく美しいピアノの旋律で始まる名曲「セブン・ドアーズ・ホテル」は、デビュー時のリードトラックとして彼らの魅力の全てをわかりやすく伝えることに成功している。

そして、次作『明日への翼(Wings of Tomorrow)』で順当に成長を遂げた彼らが、北欧圏のローカルバンドから脱皮し世界に打って出たのが、サードアルバム『ファイナル・カウントダウン』である。キーボード奏者を迎えた新編成の利点を最大限に活かしたタイトル曲「ファイナル・カウントダウン」は、シングルカットされるやいなや、まさに大ブレイクという言葉が相応しい売れ方で、全米を含む世界各国でナンバーワンを獲得。日本でも洋楽チャート1位と HM/HR の範疇を超えた大ヒットを記録した。

しかし、メジャー指向を強めていくバンドに方向性の違いを感じたジョン・ノーラムは脱退。後任のキー・マルセロは優れたプレイヤーで、80年代最後のアルバム『アウト・オブ・ディス・ワールド』も良質な作品だったが、前作のようなヒットには繋がらなかった。ジョーイとのツートップが崩れ、バンドのもう一つの核であったジョンの不在は痛手となった。

彼らと同じように日本から人気に火が付いたグループにボン・ジョヴィがいるが、この時、ジョン・ボン・ジョヴィはヨーロッパの日本での人気ぶりを意識していたという。当時のヨーロッパのポテンシャルを考えると、もし、80年代にジョン・ノーラムが脱退していなければ、日本でボン・ジョヴィのようなポジションに昇り詰めていたかもしれない(ジョン・ノーラムは2003年にバンドに復帰)。

ところで「ファイナル・カウントダウン」の PV を久々に観たが、YouTube での再生回数は実に5億9千万回に及んでいた。まさに80年代を代表する世界的なロックの名曲のひとつと言っても過言ではないだろう。

2019年4月30日の夜は、そんな彼らの代表曲を聴きながら、心して新元号の瞬間を迎えてみたい。

2019.02.23
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  YouTube / europethebandtv


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カタリベ
1968年生まれ
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