4月21日

荻野目洋子「ラズベリーの風」ドライブにピッタリ!作家陣もトップアーティスト集結

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荻野目洋子のアルバム「ラズベリーの風」がリリースされた日
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“ダンスミュージックの人”だけじゃない! 荻野目洋子「ラズベリーの風」


2022年6月28日に、ビクターから『マスターピース・コレクション~シティポップ名作選』のシリーズ 第二弾である『フィーメル・シティポップ名作選』が発売されました。今回のラインナップはアイドルや女優がビクターに残した10タイトルが選ばれています。女優やアイドルの作品というだけでついスルーしがちですが、10枚のアルバムにはそれぞれ一流のコンポーザーやミュージシャンが参加していて、80年代が才能の宝庫だったということを再確認できる作品ばかりです。

昨今ブームになっているシティポップですが、そもそも “シティポップ” の定義というものが明確にあるわけではなく、かなりフワッとしていると思います。特に80年代は、ドライブをする時に似合っている音楽であれば、まさに “シティポップ” 的だったと思います(あくまで個人の見解ですが)。

今回ご紹介するのは、1986年に発売された荻野目洋子の4枚目のオリジナルアルバム『ラズベリーの風』です。自分にとっての荻野目ちゃんは “ダンスミュージックの人” という印象で、大ヒットになったアルバム『NON-STOPPER』のイメージがとても強いです。ちなみにこの『NON-STOPPER』はユーミンの『ALARM à la mode』をおさえて年間チャートの1位を獲得する大ヒットアルバムになったわけですから、ダンスのイメージを持つのも当然でしょう。

しかし、今回ご紹介するアルバム『ラズベリーの風』のヒットがあったからこそ、『NON-STOPPER』のヒットに繋がったとも言えます。シングル「ダンシング・ヒーロー(Eat You Up)」がTOP5入りを果たす大ヒットになり、一躍トップアイドルに躍り出た荻野目ちゃん。続くシングル「フラミンゴ in パラダイス」もTOP10入りを果たし、そんな好調な時期に発売されたのがこの『ラズベリーの風』です。

シティポップとして納得の作品群!


今回、改めて『ラズベリーの風』を聴いてみたのですが、とても良質なポップスアルバムだということを再確認しました。シングル「フラミンゴ in パラダイス」がアルバムバージョンで収録されているので、アルバムの雰囲気や流れを考慮して制作されていたことが、改めておわかりいただけると思います(ちなみにボーナストラックとして収録されている「ダンシング・ヒーロー(Eat You Up) -Special English Version-」はLP発売時には収録されていませんでした)。

荻野目洋子の過去3枚のオリジナルアルバムは、いずれもオリコンの最高位が20位台だったのですが、本作は見事に最高位4位という大ヒットを記録しています。特に作家陣が豪華で、大沢誉志幸、Nobody、杉真理、松尾清憲、高中正義、久保田利伸という当時のトップアーティスト達が楽曲提供しています。清水信之、新川博といったシティポップサウンドには欠かせないアレンジャーが参加しているところも見逃せません。ジャケット写真にはまだあどけない表情の荻野目ちゃんが写っていますが、ボーカリストとしてはすでに自身のスタイルを確立していたように思います。

大沢誉志幸が作曲をした軽快なナンバー「涙はスピード揺らすから」でスタートするアルバムですが、都会を走り抜ける車の中で聴く時にぴったりの疾走感あふれる1曲です。ラストを飾る「夏のステージ・ライト」も大沢誉志幸の作曲なのですが、アレンジは新川博。シティポップファンとしては納得のアレンジですよね。シティポップの名曲として再注目されている「LAZY DANCE」も収録されていますが、この曲はレコードデビュー直前の久保田利伸の作曲で、ブラコン寄りのアーバンなアレンジが特徴です。ちなみにこの曲は、Spotifyの再生回数を見るとアルバムの中でもっとも再生回数が多い曲です。

荻野目ちゃんと林哲司の組み合わせは必聴!


今回、特にクローズアップしたい曲は「ビーチボーイズを止めないで」「涙しかみえない」の2曲です。何故ならこの2曲は、昨今のシティポップブームで海外からも注目されているコンポーザー林哲司の作曲だからです。荻野目ちゃんと林哲司の組み合わせは意外だったのですが、特にミディアムナンバー「涙しかみえない」では、Mellowな荻野目ちゃんの一面を垣間見ることが出来ます。

当時、林哲司はオメガトライブや菊池桃子らに多くの名曲を提供していた時期で、改めて素晴らしいメロディーメーカーだということも改めて確認できます。このアルバムにはスローバラードは一切収録されていないので、ドライブするときにカセットで聴くことを想定して制作された作品だったのだと思います。

昨今のシティポップブームはアナログ盤の価格がやたら高騰し、若干困惑してしまう側面もあるのですが(笑)、隠れた名盤がシリーズ化されてクローズアップされると、改めて名曲を知ることが出来るので大変ありがたいです。

今回発売された10タイトルをすべて聴きましたが、意外な名曲をたくさん見つけることが出来ました。特にこの『ラズベリーの風』は当時スルーしていた自分を恥じたいほど素晴らしい出来のアルバムです。でも、良い音楽というのは何十年の時を経ても新鮮な気持ちにさせてくれるのですから、今回のような再発売には感謝しかありません。ありがとうございます!

特集:フィーメル・シティポップ名作選

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2022.07.14
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カタリベ
1967年生まれ
長井英治
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