先に行われた『プロレス総選挙2017』なる番組で、猪木、馬場についで堂々の3位にランクされた初代タイガーマスク。彼が作り出した異次元空間には、多くのライバルが出現した。
デビュー戦の相手となり、その後も名勝負を繰り広げたダイナマイト・キッドは、スピードとパワーを兼ね備えたダイナミックなレスリングスタイルで多くのファンを獲得。トップロープからのダイビングヘッドバッドは、フィニッシュを期待させファンが泣いて喜ぶ大技だった。彼がアニメ『タイガーマスク』で有名なレスラー養成機関「虎の穴」のモデルとも噂されたビリー・ライレー・ジム出身ということもあり、マニアは否応なしに盛り上がったものだ。
ブラック・タイガーは、アニメでも虎の穴のレスラーとして登場したキャラで、長きにわたってタイガーの前に立ちふさがった。漫画の『プロレススーパースター列伝』によると、タイガーは、ブラック・タイガーの正体であるマーク・ロコを大いに恐れており、対戦を前に身震いするシーンがある。動きは地味だが、お約束の急所攻撃では、若い女性の悲鳴を聞いた。
マスク剥ぎで名を上げた小林邦昭もその一人。マスクに手をかけるというのは圧倒的ヒールの役割であるが、それをこなしたのが日本人レスラーだったことがとてもいい。彼がフィニュッシュ・ホールドとして開発したフィッシャーマンズ・スープレックスは、大人気の技となり、現在でも多くのレスラーが使っている。
さて、ライバルに恵まれ、一貫して80年代プロレス隆盛の主役であったタイガーであったが、入場曲は一貫していない。
デビュー戦では、ブレイン・ウォッシュ・バンドの生演奏による「バーニング・タイガー」。その後、「おまえは虎になれ」が使用される。これは、短期間の使用だった。
また、アニメのタイアップだったこともあり「タイガーマスク二世」(アニキこと水木一郎歌唱)が使用され、ときには「燃えろ! 吠えろ! タイガーマスク」(なんと古舘伊知郎)なども使用されたようだ。このあたりは、あまり記憶が残っていないのが残念だ。
そんなタイガーであるが、人気絶頂の83年には、原作者が逮捕されたり、会社の収益が別事業に使われていることが発覚し、社内のクーデターが起こるなど、リング外でのさまざまなトラブルに巻き込まれる。
そして、テレビ朝日系列で放送していた『欽ちゃんのどこまでやるの!』にいきなり登場。リングではなく、あの欽ちゃん家のお茶の間に上がったのだ。真屋順子さんはもちろん、見栄晴とめだかの兄弟に囲まれて爽やかなトークを繰り広げるが、そこで、あっさりとマスクを脱いでしまった。ほんと、あっさり。
これでタイガーの試合を見ることができないと思うと、暗~い気分になってしまった。わずか2年4か月。やっぱりタイガーマスクのラストは、マスクを脱ぐのだと知った。
2017.08.01
YouTube / 12080510
YouTube / Duke Maíz
Information