当初の大映ドラマの洋楽カヴァーは比較的放送直近のヒット曲を使用していましたが、「スタア誕生」「花嫁衣裳は誰が着る」「おんな風林火山」では、過去のヒット曲を使用します。「スタア誕生」のパット・ベネター「ハートブレイカー」は79年、「花嫁衣裳は誰が着る」のオリビア・ニュートン・ジョン「そよ風の誘惑」は75年、「おんな風林火山」のシャーリーン「愛はかげろうのように」は77年(ヒットしたのは82年)と、一気に70年代の楽曲が増えます。理由は謎ですが、選んだ方(プロデューサー?)の趣味なんでしょうか、視聴者のメインターゲットからするとやや渋めですね。ただ、大映ドラマにフィットしていたかというとやっぱりフィットしてたんでしょうね
■ スタア誕生
1985年4月~ フジテレビ系列で放送開始
出演:堀ちえみ、風見慎吾、国広富之
主題歌:ハートブレイカー / 葛城ユキ
原曲:ハートブレイカー / パット・べネタ-
日本ではちょっと知名度低いかなとも思いますが、パット・ベネターの名曲「ハートブレイカー」。70年代の女性ロッカーといえば、ランナウェイズを思い出します。彼女達の人気には及びませんでしたが、実力ではパット・ベネターも負けていません。女性ロック・シンガー自体まだ少ない時代にこのハードな歌唱! 負けん気が強そうな顔立ちもあって(当時は研ナオコに似ているとも言われてましたが…)、喧嘩っ早そうな強面の写真やイメージがジャケやビデオ等に多く使われていました。そんな実力派シンガーのハードロック歌唱を見事にカヴァーして歌いこなす葛城ユキも拍手モノです。
■ 花嫁衣裳は誰が着る
1986年4月~ フジテレビ系列で放送開始
出演:堀ちえみ、伊藤かずえ、松村雄基
主題歌:愛は眠らない / 椎名恵
原曲:そよ風の誘惑(Have You Never Been Mellow)/ オリビア・ニュートン・ジョン
日本において、この中で最も知られていた曲はやはり「そよ風の誘惑」でしょう。オリビア・ニュートン・ジョンといえば私のような80’s青春世代には、「ザナドゥ」「フィジカル」「グリース」の印象が強いですが、70’s青春世代にとっては、「そよ風の誘惑」や「カントリー・ロード」だと思います。それだけに、放送時に学生だった80’sの視聴者には新鮮でしたでしょうし、元来持つ素晴らしいサビのメロディーに魅了されたことでしょう。
■ おんな風林火山
1986年10月~ TBS系列で放送開始
出演:鈴木保奈美、石立鉄男、松村雄基
主題歌:LOVE IS ALL ~愛を聴かせて~ / 椎名恵
原曲:愛はかげろうのように(I've Never Been To Me)/ シャーリーン
椎名恵にしっとりとカヴァーされる「愛はかげろうのように」も同様のバラード。シャーリーンがオリジナルではありませんが、彼女のヴァージョンが最もヒットし、一般的に知られていると思います。このシャーリーンのヴァージョンは日本のCMでも頻繁に使用されているのでご存知の方も多いでしょう。この曲の全米での売れ方はちょっと変わっています。76年のリリース時はあまり売れなかったのですが、82年にフロリダのDJが紹介してから、あっという間に世界中で売れ始めたのです! その頃にはシャーリーン本人は音楽の世界からは遠ざかっていたそうですが、既にMTVが全米を席巻し始めていた時代、最後期のラジオヒットかもしれませんね。
2016.08.16
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