9月5日

Ado「うっせぇわ」の原点はこの曲? コンセントピックスは80年代のガールズバンド

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強烈なインパクトある歌詞、コンセントピックスのデビュー曲「顔」


突然だが、いきなり

 顔がキライ 顔がキライ
 アンタの顔がきらいなだけ
 ごめんね 君はとてもいいひと
 だけど顔がきらいなの

… と言われたら、あなたはどうする?

これはコンセントピックスというバンドのデビュー曲「顔」という曲のワンフレーズである。

コンセントピックスは、国立音大付属高の同級生4人で結成されたガールズバンドである。楽器はギター、ベース、ドラム、キーボードという編成だった。デビューのきっかけは『ヤマハポピュラーソングコンテスト』通称ポプコン。1984年5月に開催された第27回全国大会でグランプリを獲得したことをきっかけにデビュー。ちなみに第26回のグランプリは辛島美登里、第28回のグランプリはTOM☆CATだった。

この「顔」はコンセントピックスのデビュー曲で、なかなかに強烈なインパクトがあった。初めて耳にしたときは「なんじゃこりゃ?」と嫌悪感すら抱くほどの衝撃だったのだが、何度も耳にするうちにクセになってしまった。

15回も繰り返す“顔がキライ”… ヴォーカルよしだみつぐが表情豊かに歌う


では、いったいどんな歌詞だったかというと…

毎日のように会っている彼のことを、「いい人だし、ごちそうもしてくれるし、話題豊富だし、気を遣わないし、足も長いし、服も高級だし、しびれるハスキーボイスだし、灼けた肌に細い腰」…と、さんざん褒めまくるのだけど、サビになったとたん

 顔がキライ 顔がキライ
 アンタの顔が きらいなだけ

… と叫び出すのである。

その他にも、

 私自信がないの
 あなたの顔をまともに見る
 喫茶店のドア
 映る顔を見てトリハダが…

… など、付き合っている彼氏の顔が「嫌い」ということをひたすら歌う、そりゃもう “ドイヒー” としか言いようのない内容だったのである。しかも最後のサビでは「顔がキライ」をなんと15回も繰り返すのだ。

顔以外はすべてステキ… だけど顔だけはどうしても受け付けない、そんな思いをストレートに曲にするというところがポプコンでもウケたのだろうか。

曲調はロックというかパンクというか、個人的には “情緒が比較的安定している戸川純” という印象を受けた。ヴォーカルのよしだみつぐの歌い方はとても面白くて、彼氏のことを褒めているところは静かでゆっくりなのだけど、だんだん感情が高ぶって「顔がキライ」というところでは、歌い方もヒートアップしてとことん激しくなっていく。声も甘えた感じだったかと思うとコミカルになったりドスを効かせて叫んでみたり… と、なかなかに表情豊かだった。

「顔」を聴いて思い出す、Ado「うっせえわ」




実はこの曲の存在をすっかり忘れていたのだが、最近流行った “ある曲” を聴いて思い出したのである。

それはAdoの「うっせえわ」だ。あの「うっせえ うっせえ うっせえわ!」という連呼が、「顔がキライ 顔がキライ」というサビを彷彿とさせたのである。まさに “昭和版うっせぇわ”… いや、逆だ。“令和版「顔」” と言うべきか。もしかしてこの曲が原点で、インスパイアされてあの「うっせぇわ」が生まれた… わけはないだろうが(笑)、ぜひAdoにこの曲をカヴァーしてほしいな、と思ったりする。

さて、なかなかにインパクトのあったこの曲だが、当時は少し毒が強すぎたのか、オリコン最高位53位、100位以内に8週とどまるも、売上2.4万枚というセールスだった。

その後、シングル2枚、アルバム2枚をリリースしたものの、セールス的には全く振るわず、気が付くとバンドは消えてしまっていた。1996年にアルバムはCD化されているようだが、ウィキペディアにもバンドの記録はなく、ネットにも情報がほぼない状況で、私も当時の記憶をたぐりながらこれを書いている。

登場するのが早すぎたガールズバンド?


コンセントピックスがデビューした1984年当時、日本でガールズバンドというと、ゼルダ、タンゴ・ヨーロッパ、少年ナイフなどのバンドがいたものの、まだまだ世間の認知度は低かったと思う。プリンセス・プリンセス、SHOW-YA、GO-BANG’S、PINK SAPPHIREといったガールズバンドがメジャーシーンで活躍するのは数年後。コンセントピックスが出てくるには早すぎたのかもしれない。

彼女たちのデビューのきっかけが「ポプコン(ヤマハポピュラーソングコンテスト)」というのも、それまでの出身アーティストやバンドと比較しても明らかに色が違っていたので、もし『イカ天(三宅裕司のいかすバンド天国)』が放送されていた頃にこのバンドが登場していたら、きっともっとブレイクしていたはずだ、と私は思っている。

あと、どうしても「顔」のインパクトが強すぎて、コミックバンド的なイメージがついてしまったのかもしれない。あぁ、なんてもったいない。

熱烈希望! アルバム再発、サブスク配信!


ところでこの「顔」のジャケット… なんと鏡みたいになっている。「この曲を聴いて笑っているけど、お前自分の顔見てみろよ」ってことなのだろう。なんて恐ろしい(笑)。でも当時にしてはとても凝っている。当時『オリコン・ウィークリー』に全面広告を出していた記憶があるので、このジャケットといい、それだけヤマハもポニーキャニオンも力を入れていたのだろう。

残念ながら再発されたCDも入手困難なようで、このバンドの曲を聴こうと思ったら、どなたかがアップしているYouTubeしかないという状況である。あぁ、やっぱりもったいない。アルバムの再発、もしくはサブスクで配信しないだろうか。私ごときのコラムでは説得力に欠けるので、どなたか声を上げてくださると大変嬉しいのだが。

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2022.05.09
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カタリベ
1966年生まれ
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