12月5日

明菜、ナンノ、ミポリン、おニャン子まで! 80年代アイドルのクリスマスソング

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クリスマスを盛り上げてくれる50~60sの海外のクリスマスソング


今年も訪れたクリスマスシーズン。バブル期を実体験した世代でありながら、個人的にクリスマスの甘美な想い出は皆無である。

もともとクリスマスは家族で過ごすイベントなのだから問題ないのだけれど。そんな私でも毎年クリスマスが近づくと高揚感が抑えられないのは、クリスマスソングとクリスマスケーキの存在である。ケーキの話はさておき、当然ここでは音楽の話を書かなければならない。

自分が最も好きなのは1950~60年代の海外のクリスマスソング。ビング・クロスビーにパット・ブーン、アンディ・ウィリアムスといったポピュラーシンガーによる甘くソフトな歌声は我々日本人にもすっかりお馴染みで、国内盤のアルバムも長年にわたって支持されている。

もう少しジャズ寄りだとフランク・シナトラやナット・キング・コール、女性ではエラ・フィッツジェラルドら、ロック方面ではエルヴィス・プレスリーにビーチ・ボーイズにザ・べンチャーズなどなど。クリスマス気分を盛り上げてくれる最高のアイテムなのだ。

日本での60~70sのクリスマスソングといえば?


一方、日本でも60年代はスタンダードカヴァーが主流で、フランク永井にマヒナスターズ、吉永小百合に坂本九にザ・ピーナッツと、すぐに名前が出てくるような歌手たちはほぼ例外なくクリスマスソングのレコードを出していた。「ジングルベル」や「ホワイト・クリスマス」「赤鼻のトナカイ」といった誰もが知る定番ソングを吹き込むことはスターの証しだったのである。その中で「ぼくのクリスマス」「クリスマス・イヴ」という、自作のオリジナルソングを出した加山雄三は正にレジェンドといえる。さすがは若大将!

70年代になるとクリスマスソングのレコードを出す歌手はグッと少なくなってしまう。アイドルでは南沙織が『シンシアのクリスマス』という4曲入りのEPを出したのと、フィンガー5のシングルおよびEPが目立つところ。あとは桜田淳子が非売品のシートで「サイレントナイト」を歌った『淳子のクリスマス』、ピンク・レディーが宣伝用のハガキ仕様シートでおしゃべりをしている『ピンク・レディーのハッピークリスマス』が作られたくらいだろうか。

アルバム曲では少し散見出来るものの、天地真理にも麻丘めぐみにもキャンディーズにも岡田奈々にも大場久美子にも、残念ながら正式なクリスマスソングは見当らない。自分がディレクターだったら『コメットさんが歌うクリスマスアルバム』なんていうLPを企画したかった。

オリジナルソングが主流に!盛り返した日本の80sクリスマスソング


さて、80年代に入るとアイドルのクリスマスソングが盛り返しを見せ始める。それは従来のスタンダードのカヴァーではなく、オリジナルソングという形が主流だった。

それでも80年デビューの松田聖子や柏原芳恵にはまだ70年代の名残があり、ふたりはスタンダードなクリスマスソングをカヴァー。松田聖子は1982年12月にリリースしたBOX仕様の冬の企画アルバム『金色のリボン』で「クリスマスメドレー」と題して「赤鼻のトナカイ」や「ジングルベル」を歌い、さらにユーミンの「恋人がサンタクロース」を歌っている。この2トラックがカップリングされたプロモーション用シングルが作られたのだが、これはぜひとも市販して欲しかった。

柏原芳恵のEP『よしえのクリスマス』も同じシーズン、1982年11月のリリースで、ホワイトレコード、クリスマスカード付きの凝った仕様だった。

中森明菜、南野陽子、中山美穂、渡辺満里奈そしておニャン子!


オリジナルのクリスマスソングは80年代の後半になって量産された感が強く、中森明菜や南野陽子、中山美穂、渡辺満里奈らはクリスマスの企画盤(アルバム・ミニアルバム)も出している。特にクリスマスアルバムに拘った南野陽子には「イヴまでの恋人」「八重歯のサンタクロース」「憶病なトナカイ」など佳曲がたくさんあった。

そんな中で特に際立っていた名曲に、ソニーからソロデビューしたおニャン子クラブ5人による「MERRY X'MAS FOR YOU」がある。河合その子、国生さゆり、城之内早苗、渡辺美奈代、渡辺満里奈の豪華メンバーで、ピクチャー盤の12インチが発売されてかなり売れたはずだ。プロモオンリーで7インチも作られた。

―― ジャケットの写真は皆可愛さ満点で、現在に至るアイドルのサンタコスの原点はここにありそう。今年もビング・クロスビーの「ホワイト・クリスマス」と共にきっと聴くであろうアイドルのクリスマスソングきっての、今や定番である。

※2018年12月19日に掲載された記事をアップデート

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2021.12.05
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鈴木啓之
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