9月21日

ピンク・レディー解散発表後にリリースされた名曲「うたかた」を聴いて!

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解散発表後にリリースされた名曲「うたかた」


ピンク・レディーのシングル「うたかた」を、皆さんはご存じでしょうか?

1980年9月21日発売、オリコンチャート最高48位、推定売上枚数4万枚… アメリカ進出の成功も国内ではスルーされ、解散を発表した後のタイミングで発売された1曲です。

もともとはアメリカ進出の際に作成された世界デビューアルバム『ピンク・レディー・イン・USA』に収録された「Strangers When We Kiss」という楽曲で、日本でのシングルリリースにあたり日本語の詞とアレンジを変更して発売された曲。それが「うたかた」でした。

テレビをつければピンク・レディー、子供にとっては童謡代わり?


1975年に私が生まれ、その翌年1976年に「ペッパー警部」でデビューしたのがピンク・レディーでした。

「渚のシンドバッド」や「ウォンテッド」のレコードをかけろ… と言葉が喋れたかどうかの記憶はありませんが、懇願しているような記憶は残っています。私の親も、ピンク・レディーを踊りたくて私は立って、ピンク・レディーを唄いたくて言葉を覚えたと言っても多分言い過ぎでは無い、とまで言っていました。

それほどまでに私がピンク・レディーにどハマりした理由… それはきっと、阿久悠と都倉俊一の送り出したピンク・レディーの楽曲が、幼かった私にとって “童謡” 代わりだったからなんでしょうね。

テレビをつければピンク・レディーが出ている… いろいろなピンク・レディーのグッズが売っている… そんな状況が当たり前だと認識していた私にとって不思議に思えることが起こります。

誰にも真似できない “スター” になっていった?


ピンク・レディーをテレビで観る機会が減り始めた… 楽曲が今までと違う… ワイドショーでピンク・レディーを観ると意味はわからずともネガティブな雰囲気を感じた… こういうことを、幼心に感じたんですね。

それでも、楽曲が今までと違う感じがするというのは私には嬉しいことでした。

たとえば、1979年7月5日に発売された「波乗りパイレーツ」のB面を聴いた時、「今までと違う… A面と一緒の曲やのに…」「なんか楽器もテンポもキラキラ感もなくてもっさりしてる? いや、でも、コレはコレでいい」… と。

もちろん、その当時の私は、作詞:阿久悠、作編:都倉俊一という素晴らしいコンビによる楽曲ということを理解できていません。また、B面の「波乗りパイレーツ(U.S.A.吹込盤)」は、あのザ・ビーチ・ボーイズがコーラスで参加し、アメリカでレコーディングされたことも後になって知りました。

さらに、次のシングル「キッス・イン・ザ・ダーク」は英語で歌い、「マンデー・モナリザ・クラブ」は大胆な大人の振付でディスコサウンドを歌いました。それまで、ピンク・レディーの歌を童謡代わりにして、歌って踊ってマネをしたがった私ですが、そのピンク・レディーが誰にも真似できない “スター” になったように感じてなりませんでした。

アメリカ進出「キッス・イン・ザ・ダーク」はビルボードで37位!


ピンク・レディーのアメリカ進出は「キッス・イン・ザ・ダーク」がビルボードHOT100で最高位37位をマークし、坂本九の「Sukiyaki(上を向いて歩こう)」以来のトップ40入りを果たしました。にも関わらず、解散や不仲説などの話題がワイドショーで取り上げられてしまいます。

アメリカでの活動中は日本でのプロモーションは行うことができません。そのため、作詞に伊達歩、作曲は小田裕一郎を迎えた意欲作で、直球の大人のラブソングをミディアムテンポで歌い上げた「愛・GIRI GIRI」は、テレビでの歌唱がほとんど行われませんでした。そして、セールスの急落に歯止めがきかなくなるなど1981年には解散へ突き進んでしまいます。

1980年9月1日にピンク・レディーは解散を発表します。4歳だった私には「解散」とは何か親に聞きます。返ってきた答えは、ピンク・レディーが終わってしまうこと。もう2人一緒の姿は見れないこと。解散をすると、もう新曲は聴けないということ… とても悲しい気持ちと、どこか「仕方ない」という気持ちが子供ながらに駆け巡りました。

アーティスト “PINK LADY” の誕生、しかし解散…


前述の通り、「うたかた」は世界デビューアルバムに収録された英語曲でした。マイケル・ロイドが制作したディスコポップスを川口真が日本向けにアレンジし直した曲は、ABBAを思い起こすようなピアノのイントロからエレキギターとホーンセクションを使い、より日本の歌謡曲を意識したサウンドに変身。洋楽と邦楽が融合した見事なアレンジです。

日本語の詞は、三浦徳子を起用し、ひと夜の大人の恋の歌に仕立てられました。全盛期では考えられなかった “大人になったピンク・レディー” が歌うに相応しい内容です。また、ジャケットも今までにない濃いめのメイクに目がいきがちですが、2人の身体の傾け方や “PINK LADY” と “うたかた” というフォント、その配置の美しさが素晴らしいです。

もちろん、歌う2人にも変化がありました。今までコスチュームのような衣装で踊り歌っていた2人が、シンプルながら白の美しいドレスでリズムに身を任せるだけのパフォーマンスです。今まで50メートルをダッシュするかのような勢いのある歌唱方法からウィスパーボイスへと変化させ、じっくりと聴かせるヴォーカルで、この「うたかた」を歌唱しています。

どれもこれも、“アーティスト・ピンク・レディー” の誕生を感じさせ、本当にオシャレだと感じました。

しかし1981年3月31日、ピンク・レディーは解散しました。テレビ中継で雨が降る寒い中、後楽園球場で唄う2人を観て、私は泣いていました。今まで辛いことがあっても、ピンク・レディーを聴けば元気になれた。幼少期に家庭環境がうまくいかない時期を過ごした私は、大きな心の支えを失い、悔しくて、悲しくて、やりきれない気持ちでいっぱいでした。

あの時、「うたかた」が売れていたら… と思うと、今でも残念な気持ちでいっぱいです。

現在も多くの人の心に残っている「うたかた」


時を経て2020年5月5日、私はリマインダー主催のオンライントークイベント『昭和ポップスの世界』にパネラーで参加しました。そのテーマにあった、“あなたが思う昭和ポップスとはどんな曲?” で、私が真っ先に思い浮かべたのが「うたかた」でした。

ピンク・レディーの “聴かせるポップス” はコレなんだ、と宣言したい! もしこの曲が売れていれば、洋楽から邦楽のヒットが生まれ、世界規模のヒット曲が生まれたかもしれない! そんな思いがありました。

ただ、なにぶん初めてのオンライントークイベント参加であり、もちろん知り合いは誰もいません。そしてモニターの向こうには、なんと100人オーバーの参加者が… 正直上手くは話せませんでした…。しかし、イベント終了後、“「うたかた」が好きって、おいくつですか?” “私もピンク・レディーのラストの時期の曲好きです” “もっと詳しく教えて” といったDMをいただき、「あぁ、私だけじゃなかった。「うたかた」を取り上げて良かった」と当時を思いウルっときてしまいました。

これを機会に、“アーティスト” ピンク・レディーの歌「うたかた」を是非聴いてみてください! オススメです!



2020.12.02
20
  Apple Music
 

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1975年生まれ
林ともひと@muzikrecord
AppleMusicになりますが
コラムの軸「うたかた」を中心にしたピンクレディーのプレイリストを作成しました。
解散直前の洋楽と歌謡曲とテクノポップ、カヴァーなど是非お聴きください♪

https://music.apple.com/jp/playlist/this-is-pink-lady/pl.u-YmbEG2gcPgbP9y
2020/12/02 23:12
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カタリベ
1975年生まれ
林ともひと@muzikrecord
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