2024年 3月6日

時代に流されない音楽家【辛島美登里】35周年アルバムには槇原敬之や永井真理子が参加!

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辛島美登里のアルバム「Coral」発売日
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2024年はメジャーデビュー35周年の辛島美登里


辛島美登里は、1983年の第26回『ヤマハポピュラーソングコンテスト』つま恋本選会に出場し、グランプリを受賞。受賞曲「雨の日」はビクターからリリースされているので、厳密にいえば、辛島美登里はレコードデビューから40年以上のキャリアを持つアーティストということになる。ポプコンのグランプリを受賞した女性シンガーソングライターの楽曲は、小坂明子「あなた」、中島みゆき「時代」、あみん(岡村孝子)「待つわ」などがあるが、「雨の日」は心に染み入るバラードにもかかわらず、何故かヒットしなかった。わらべうたを基調にしたピアノの弾き語りは、当時の音楽シーンの中では素朴に映ってしまったかもしれない。

そんなスタートを切った辛島美登里は大学卒業後上京し、本格的なデビューに向けて活動を開始している。メジャーデビュー前の1987年にキングレコードからシングル「Midnight Shout」(OVA『魔境外伝レディウス』オープニング)、1988年にはシングル「Last No」(OVA『聖戦士ダンバイン』エンディング)をリリースしている。この時代のアニメのタイアップ楽曲は、メジャーデビュー後の1991年にアルバム『MEMORIES』にまとめられ、オリコン最高位14位のヒットになっている。

この時期、アニメソングの制作の他にソングライターとしても活動していた彼女だが、1987年に発売された永井真理子のセカンドシングルに「瞳・元気」が起用され、1989年6月25日、ファンハウスよりシングル「時間旅行」でメジャーデビューを果たしている。つまり、今年2024年はメジャーデビュー35周年イヤーという記念すべき年ということだ。

約10年ぶりのオリジナルアルバム「Coral」


デビュー35周年となる2024年。2014年に発売されたアルバム『colorful』から約10年ぶりのオリジナルアルバム『Coral』が3月6日に発売になる。



ちなみに2014年のアルバム『colorful』はサウンドプロデュースに富田ラボを迎え制作された会心作だったが、このアルバムからセレクトされた8曲が『colorful(2024 LP EDITION)』として4月24日にレコードで発売されることが決定している。こちらは辛島美登里自身もお気に入りのアルバムだそうなので、是非チェックしていただきたい。



この10年間にカバーアルバム『cashmere』(2017年)や、デビュー30周年記念ベストアルバム『Carnation』(2019年)をリリースしているとはいえ、久しぶりのオリジナルアルバムはファンにとってはまさに待望の1枚ということになるだろう。アルバムのタイトル『Coral』は「珊瑚」という意味だが、どんな想いが込められているのかと思えば、“珊瑚=35” ということで、何と35周年に引っかけたタイトルになった(笑)。コンサートなどで真面目な顔でジョークを飛ばす彼女らしいウィットの効いたタイトルは、コアファンならずとも思わずにやけてしまうだろう。

槇原敬之 with 辛島美登里、先行配信シングル「Favorite Phrase」


今回、このアルバムからの先行配信シングルとして発表された「Favorite Phrase」は、辛島美登里のたっての希望で槇原敬之に楽曲依頼し、“槇原敬之 with 辛島美登里” という形でクレジットされている。槇原敬之は1990年デビューなので、辛島とはほぼ同期デビューのアーティスト。「サイレント・イヴ」が大ヒットした時期に槇原は「どんなときも」でブレイクしており、競争率の高かった90年代のJ-POPシーンの中で、上質なポップスを世に送りだしてきた2人にはどこか共通点があるように思う。とはいえ、意外なコラボレーションに驚いたファンも多かったのではないだろうか。槇原敬之が長い間温めてきた大切な曲を提供する形になったそうだが、新しい季節を迎えるこの時期にぴったりの、どこか前向きな気持ちになれる爽やかなポップスになっている。






そして、今回の『Coral』にはもう1つ目玉がある。それはこれまでに多くの楽曲提供をしてきた永井真理子とのコラボレーションだ。先ほど紹介したセカンドシングル「瞳・元気」をはじめ、永井真理子には多くの楽曲を提供しているが、1989年に発売された4枚目のアルバム『Miracle Girl』に提供した名バラード「Keep On "Keeping On"」が今回デュエットバージョンとしてレコーディングされている。この楽曲は、永井ファンからも、辛島ファンからも長きに渡り愛されてきた名曲で、辛島自身もアルバム『BEAUTIFUL』の中でセルフカバーしている。

全会場で永井真理子のゲスト出演が決定


さらには、「シロツメクサ」も辛島美登里&永井真理子名義の嬉しい新曲だ。3月30日から行われるコンサートツアー『辛島美登里35thConcertTour2024 〜Coral 35〜』では、全会場で永井真理子のゲスト出演が決定しており、どんなステージになるか今からとても楽しみだ。

すでにコンサートでは披露されている「3months 〜止まった地球(ほし)~」や「エスポワール」の他、ボーナストラックとして「最後の手紙(Studio Live Version)」が収録されているのが嬉しい。この曲は、メジャーデビュー曲「時間旅行」のカップリングに収録されていた1曲だが、デビュー当時からずっと応援してきたファンに向けてのサービスも忘れないのはさすがだ。

辛島美登里がメジャーデビューした1989年からこの35年間、流行は時に残酷な形で移り変わり、多くのアーティストが生まれては消えていった。しかし、彼女は決して時代に流されることなく、頑固なまでに確固たる自身の世界観を貫いてきた。声質も雰囲気も変わらないまま時を重ねてきたのは、驚異ですらある。おっとりとしていて、時に天然な部分を見せてくれる ”辛島先生”(彼女のニックネーム)。コンサートの彼女のトークはとても面白いので、是非この機会にツアーに足を運んでみてはいかがだろうか。

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2024.03.06
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カタリベ
1967年生まれ
長井英治
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