2024年 4月27日

辛島美登里 35周年【ライブレポート】永井真理子もゲスト出演!変わらぬ美声に会場も興奮

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辛島美登里のライブ「辛島美登里35th Concert Tour 2024 〜Coral 35〜」最終公演開催日(きゅりあん大ホール)
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photo:加藤千絵(CAPS)  

辛島美登里、35周年を記念するツアーファイナル


大型連休の初日となった、4月27日。『辛島美登里35th Concert Tour 2024 〜Coral 35〜』のツアーファイナルが、東京・大井町のきゅりあん大ホールにて行われた。開演前の会場は、今回のコンサートツアーのために制作されたグッズや、終演後に行われるハイタッチ会に参加するためのCDやLPを買い求めるファンで既に賑わっている。

開演のベルが鳴り響くと。それまでざわめいていた満員の客席は静まり返り、アルバム『Coral』のジャケットを思わせる真っ白なロングドレスの辛島美登里が登場。1曲目は『Coral』から「人魚の恋~風になって~」。久しぶりの大ホールコンサートにもかかわらず、緊張するどころか1曲目から会場全体を包み込む伸びやかな歌声に、35年という長いキャリアを感じた。MCを挟み、ピアノの弾き語りで披露されたのは、1983年にポプコンのグランプリを受賞した「雨の日」。正式なデビューは1989年だが、この曲はキャリアのスタートとなった大切な1曲である。

前半はアルバム『Coral』からのナンバーが続き、“日常” を歌ったあとのトークでは、コロナ禍に感じた想いを封じ込めた「3months〜止まった地球(ほし)~」「逢いたくて」を披露。比較的しっとりとした雰囲気の曲が続いたが、35周年を迎え、新たな気持ちで歩き出す決意をするトークと共に、シティポップアレンジの「卒業記念日」へと。イントロが流れ出すと会場中から温かな手拍子が沸き起こり、前半の最後はアルバムの中でももっともポップなアレンジの「エスポワール」へと続いた。カラフルな照明に照らし出された会場は総立ちになり、前半戦はとても明るいムードでいったん休憩へ。

撮影:加藤千絵(CAPS)


スペシャルゲストは永井真理子


後半は、真っ赤なブラウスとスカートに身を包んだ辛島美登里が登場。隣にいるのは、今回のツアーのスペシャルゲスト・永井真理子だ。今回すべての会場に永井真理子がゲスト出演しており、ペンライト持参で応援をするファンも多く見受けられた。

1987年の永井真理子のセカンドシングル「瞳・元気」に辛島美登里が楽曲提供したことが縁で始まった2人の関係だが、レコード会社と事務所が一緒だったにもかかわらず、ゆっくり話せるようになったのは、ほんの数年前だったのだとか。とあるイベントで楽屋が一緒になり、意気投合したことで今回のコラボレーションが生まれたのだという。

後半の1曲目は、アルバム『Coral』にデュエットナンバーとして収録された「Keep On "Keeping On"」。この曲は永井真理子の大ヒットアルバム『Miracle Girl』に提供した楽曲で、辛島美登里自身も自身のアルバム『BEAUTIFUL』でセルフカバーしている人気曲だ。

かつて、人気テレビアニメ『YAWARA』のテーマソングに起用された2人だが、そのテーマソングだった、永井真理子の「ミラクル・ガール」と辛島美登里の「笑顔を探して」がメドレーで歌われ、会場の興奮はるつぼに。続いて歌われた「シロツメクサ」は、再び交わった2人の人生が描かれた感動の1曲だ。お互いに感極まる場面もあり、温かな拍手が会場中を包み込んでいた。

撮影:加藤千絵(CAPS)


まっすぐにかつ丁寧に歌われた「サイレント・イヴ」


永井真理子を見送った後、夢のような時間は終わりに近づき、後半の最後のパートで歌われたのは大ヒット曲「サイレント・イヴ」。これまでに何度となく歌われてきた名曲だが、オリジナルのイメージを決して壊すことなく、まっすぐにかつ丁寧に歌っている彼女の姿が印象的だった。そして、最後はファンへのメッセージソングのように響いてくるバラード「忘れないで」で本編は幕を閉じた。

アンコールでツアーTシャツに着替えた辛島美登里が登場し、アルバムのボーナストラックとして収録された「最後の手紙」をピアノの弾き語りで披露。この曲は1989年のデビューシングル「時間旅行」のカップリング曲だが、35年の想いを込めるような感動の弾き語りであった。

そして、アンコールの最後は、先行配信シングルとして話題となった「Favorite Phrase」。それまで自作自演にこだわり活動してきた彼女が、初めて他のアーティストに楽曲提供を依頼したこの曲は、同時期にデビューし上質なポップスを世に送り出してきた槇原敬之の書下ろし曲。35周年という記念すべきターニングポイントにふさわしい名曲だ。

今回のツアーは、アルバム『Coral』の収録曲が全曲歌われたが、10年ぶりのオリジナルアルバムだっただけに本人の思い入れも強い作品になったのだろう。

35年という長いキャリアも10年から15年くらいの感覚


終演後、ロビーで行われたハイタッチ会に参加するファンの行列が出来ていたが、CD売り場ではアルバム『Coral』が完売になっていた。コロナ禍を超えて、ファンにとっても直接触れ合える喜びを感じることのできた貴重な瞬間だったはずだ。35年という長いキャリアも、辛島美登里本人は10年から15年くらいの感覚だとトークで話していたが、この先40周年を迎えても変わらぬ歌声で我々を感動させてくれると確信できた夜であった。

撮影:加藤千絵(CAPS)



辛島美登里35th Concert Tour 2024 〜Coral 35〜 セットリスト

開催:2024年4月27日(土)
会場:きゅりあん 大ホール

M0 Overture
M1 人魚の恋~風になって~
M2 雨の日
M3 日常
M4 3months~止まった地球(ほし)~
M5 逢いたくて
M6 卒業記念日
M7 エスポワール

休憩(15分)

M8 Keep On "Keeping On"
M9 ミラクル・ガール
M10 笑顔を探して
M11 シロツメクサ
M12 サイレント・イヴ
M13 忘れないで
アンコール
EC1 最後の手紙
EC2 Favorite Phrase



Information
夕涼みコンサート2024~ 夏だ!浴衣でGO!!
▶︎ 日時:8月31日(土)開場15:00 / 開演16:00 
▶︎ 会場:鎌倉プリンスホテル バンケットホール七里ヶ浜
▶︎ メンバー:森丘ヒロキ(Pf)、伊藤ハルトシ(Gt&Vc)
▶︎夕涼みコンサート2024特設サイト
https://www.livefans.jp/push/karashimamidori2024

辛島美登里オータムコンサート〜アコースティックなCoralも〜
▶︎ 日時:10月5日(土)開場15:30 / 開演16:00
▶︎ 会場:東大和市民会館ハミングホール 大ホール
▶︎ メンバー:森丘ヒロキ(Pf)、森田晃平(Ba)
▶︎ チケット好評発売中
https://www.livefans.jp/events/1672867

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2024.06.19
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カタリベ
1967年生まれ
長井英治
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