そのドラマで使われたクイーンの曲をまとめた『ジュエルズ』というベスト盤が、私の初めて買った CD になった。この CD が売れに売れたらしく、クイーン再評価の気運が高まりそれが大きなうねりとなって、クイーン+ポール・ロジャースという形での「復活」を促した。僕の行った初めてのライヴは、さいたまスーパーアリーナでの彼らのものだった。
なぜクイーンに惹かれたのか振り返ってみると、ちょうどその時期が私の人生の中で始めての(そしてそれから幾度となく繰り返される)「挫折」の時期であったことが大きいように思う。どうしようもなく途方に暮れて、地元の河川敷で聴いた「RADIO GA GA」。どんなことを歌っているのか気になり対訳を見た。
ラジオ、最近調子はどう? まだ君のことが好きな奴もいるよ
MTV 時代になり、廃れ始めたラジオへの哀愁こもった応援ソングが、僕自身へのものに思われたのだった。良質のメロディが、それを助けたのだろう。使い古されたような言葉だが、まさに元気を与えてくれたのだ。