2月25日

クリストファー・クロス、グラミー賞の主要4部門を独占した唯一のアーティスト

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今年のグラミー賞(第62回)は、ふたりの新人が主要4部門にノミネート!


2020年1月26日に開催される第62回グラミー賞において最大の話題といえば、ふたりの新人アーティスト、ビリー・アイリッシュとリゾが、主要4部門すべてにノミネートされていることだろう。果たして、どちらかによる独占受賞はあるのか?主要4部門とは下記の通り。

■ 最優秀レコード賞
■ 最優秀楽曲賞
■ 最優秀アルバム賞
■ 最優秀新人賞

通常だと、主要4部門を同時受賞する上でネックとなるが新人賞だ。実際、3部門を獲得したアーティストは、これまでにも少なからずいるが、ほとんどの場合は新人でなかったため、この部門のノミネート資格を有していなかった。2000年(第42回)に9部門を受賞したサンタナ『スーパーナチュラル』や、1984年(第26回)に8部門を受賞したマイケル・ジャクソン『スリラー』も、その例外ではない。

過去にたったひとり、主要4部門を独占したクリストファー・クロス


2003年(第45回)には、ノラ・ジョーンズがデビューアルバム『カム・ウェイ・ウィズ・ミー』関連で主要4部門の同時受賞を果たしている。しかし、厳密に言うと、最優秀楽曲賞はソングライターに与えられる賞のため、受賞曲「ドント・ノー・ホワイ」の作者であるジェシー・ハリスに贈られており、ノラが独占したとは言い切れない。まぁ、厳密に言えば… の話だが。

そういう意味で言うと、文句なしに主要4部門を独占したアーティストは、過去にたったひとりしかいない。1981年(第23回)のクリストファー・クロスだ。当時29歳、遅咲きデビューによる偉業達成となった。受賞結果は下記の通り。

■ 最優秀レコード賞:「セイリング」
■ 最優秀楽曲賞:「セイリング」
■ 最優秀アルバム賞:『南から来た男(Christopher Cross)』
■ 最優秀新人賞:クリストファー・クロス

80年代の幕開け、きらきらと輝くデビューアルバム「南から来た男」


クリストファー・クロスの『南から来た男』がリリースされたのは、1979年12月20日。70年代が終わり、まさに新しい時代を迎えようとしていた時、彼が作る親しみやすいメロディーと、どこまでも伸びるハイトーンボイスは、陽射しを浴びた水面のようにきらきらと輝き、多くの人達にこれから始まる明るい未来を想起させた。

丁寧に仕上げられたサウンドは非常にクォリティが高く、確かな演奏技術と豊かなミュージックマインドに溢れていた。押しつけがましさのない新しい時代の歌が、頬を撫でる柔らかな風のように心地良く舞っていた。けっしてセンセーショナルな音楽ではなかったが、そこがよかったのだろう。オーソドックスであるがゆえに、幅広い層に支持されたのだと思う。

1980年2月15日にリリースされたシングル「風立ちぬ(Ride Like the Wind)」が全米2位まで上昇すると、続いて6月15日にリリースされた「セイリング」は見事全米1位を獲得。アルバムも最高位は6位ながらロングセラーとなり、この安定したセールスと高い評価が、翌年のグラミー主要4部門独占へと繋がっていくことになる。

クリストファー・クロスとビリー・アイリッシュに共通点はあるか?


クリストファー・クロスの偉業から39年。例えばビリー・アイリッシュを聴いていると、その音楽の質感や伝わってくる感情の揺らぎなど、クリストファー・クロスとの間には彼岸ほどの隔たりを感じる。これは良し悪しを言っているのではなく、それだけ時代が動いたということだろうし、レコーディング技術や音楽を取り巻く環境も変わったということだ。

それでも、ひとつ共通点を見出すとすれば、それはメロディーの美しさだろうか。ビリー・アイリッシュは斬新な音楽性と個性で世界に強いインパクトを与えたが、彼女の書く曲の多くは、普遍的でオーソドックスなメロディーをもっている。あれほど内省的な音楽が、これだけ幅広い層に支持されている理由も、その辺りにあるのではないか。その点は今も昔は変わらない気がするのだ。

変わるものもあれば、変わらないものもある。そして、違うように見えても、どこかで繋がっている。いつだって時代は、変わらないものを抱えながら、変化しているのだろう。

2020.01.27
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  YouTube / Official Christopher Cross
 

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カタリベ
1970年生まれ
宮井章裕
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