当初、globeが出演する車のCMソングとして小室は「Joy to the love」を提供したが、スポンサー側が難色を示し、楽曲の変更を余儀なくされた。そこで小室は多忙の合間を縫って山中湖のスタジオに篭り、不眠不休で約2日を費やして新曲を書き上げた。これが「I BELIEVE」の原型となる楽曲だった。
ところがこの楽曲に対して、スポンサー側は “前の曲に戻してほしい” と再度の差し替えを求めた。実はスポンサーの意向は “「♪Joy to the love」はそのままで、アレンジを変えてほしい” というもので、楽曲そのものの変更を望んだわけではなかったのだ。食い違いの原因は、仲介するスタッフがスポンサーの意向を汲み取れず、誤った解釈で小室に伝えてしまったことであった。
結局、CMは「Joy to the love」をそのまま使用する形で決着。では宙に浮いた「I BELIEVE」は、ボツ曲として日の目を見ることなく葬られてしまうのか? 一連の経緯を追いかけていた密着系ドキュメント番組のスタッフが問いかけると、小室はニヤリと一言。“ある人がもらうのかな…”。その傍らには “ある人って誰だろう?” と無邪気に笑顔を振りまく華原朋美の姿があった。
1995年末、小室が主宰した年越しライブ『スーパーカウントダウン 1995-1996』は “TKムーブメント” の極みともいうべきものであった。チャリティー企画によって誕生した楽曲「YOU ARE THE ONE」を、小室ファミリーが一堂に会して歌う映像は、小室の天下を世間に印象づけた。そして、このとき誰よりも輝いていたのは、華原朋美ではなかったか。歌唱順で安室奈美恵とKEIKOに挟まれ、サビを分担した3人の中でも、彼女の持ち味である伸びやかできらびやかな高音ボイスを遺憾なく発揮していた。